この記事の要点

  • リニューアルでは、ドメインは変えないのが基本。見た目やページの構成を新しくしても、ドメインはそのまま使える。
  • ドメインを変えると、検索での評価の引き継ぎ、メールアドレス、印刷物、取引先への連絡など、作業と影響が大きくなる。
  • 社名の変更、ドメインの契約を前の制作会社が持っていて取り戻せない、などの事情があれば、変えることも選べる。
  • 変える場合は、古いページから新しいページへの301リダイレクトと、Search Consoleのアドレス変更ツールを使い、転送はできるだけ長く続ける。

ドメインはリニューアルしても使い続けられる

まず知っておきたいのは、ホームページのデザインやページの構成、使っている仕組み(CMS)を新しくしても、ドメインはそのまま使い続けられるということです。ドメインは、ホームページの中身とは別に、ドメインの登録サービスで契約しているものだからです。

ドメイン検索の評価これまでに積み上がった、検索エンジンからの評価外部のリンクほかのサイトや紹介記事からのリンクメール社員のメールアドレス印刷物名刺、パンフレット、看板、車両登録情報取引先の登録、各種サービスの登録
図解ドメインに結びついているもの。ドメインを変えると、これらすべてに影響が出る。

ホームページを新しいサーバーに移す場合も、ドメインの設定(DNS)を新しいサーバーに向け直すだけで、同じドメインのまま切り替えられます。ドメインの仕組みはドメインとはで説明しています。

ドメインを変えない方がよい理由

検索での評価の引き継ぎに時間がかかる

長く使ってきたドメインのページは、検索エンジンにすでに登録され、一定の評価を受けています。ドメインを変えると、検索エンジンは新しいアドレスのページを改めて読み込み、古いページとの関係を理解する必要があります。

Googleは、サイトの移転について、正しくリダイレクトを設定すれば評価は新しいアドレスに引き継がれるとしつつ、移転の後は一時的に検索の順位が変動することがあるとも案内しています。リニューアルとドメインの変更を同時に行うと、順位が変わったときに、原因がページの内容の変更なのか、ドメインの変更なのかが分かりにくくなる点にも注意が必要です。

メールアドレスも変わる

多くの会社では、ホームページと同じドメインでメールアドレスを使っています。ドメインを変えると、社員全員のメールアドレスが変わり、取引先への連絡、各種サービスへの登録の変更、メールソフトの設定の変更が必要になります。

印刷物の作り直しが必要になる

名刺、封筒、パンフレット、チラシ、看板、社用車など、ホームページのアドレスを印刷しているものは、すべて作り直しが必要です。古い印刷物はしばらく世の中に残るため、古いアドレスからの転送を長く続ける必要があります。

外部のリンクが古いアドレスのまま残る

取引先のホームページ、業界団体の会員一覧、地域の紹介サイト、過去の記事などに張られたリンクは、古いアドレスのまま残ります。転送を続けている間は新しいページに移動できますが、転送をやめると、それらのリンクはすべて見られなくなります。

ドメインを変えない検索の評価をそのまま使えるメールアドレスはそのまま印刷物の作り直しは不要ページのアドレスが変わる分だけ転送ドメインを変える評価の引き継ぎに時間がかかるメールアドレスが変わる名刺や印刷物を作り直すすべてのページで転送が必要
図解ドメインを変えない場合と変える場合の違い。変える場合は、作業と確認が大きく増える。

ドメインを変えてもよい場合

一方で、次のような事情がある場合は、ドメインを変えることも選択肢になります。

ドメインの変更を考える事情
事情考え方
社名やブランド名を変えた新しい名前と合わないドメインを使い続けると、かえって分かりにくい
ドメインの管理を取り戻せない前の制作会社などの名義で、移管に応じてもらえない場合
事業の一部を独立させる新しい事業のための別のサイトを作る場合
属性型のドメインに変えたい会社を設立して co.jp を取得した場合など
長すぎる・覚えにくい名刺や電話で伝えにくく、困っている場合

「新しいドメインの方がかっこいい」「なんとなく古い印象がある」程度の理由であれば、変えない方が無難です。会社にふさわしいドメインの選び方は会社のドメイン名の決め方で説明しています。

ドメインの管理者を必ず確認する

意外と多いのが、ドメインの契約者が前の制作会社やホームページを作った個人の名義になっていて、自社で管理できていないケースです。リニューアルを考え始めたら、ドメインの契約者(登録者)が誰か、管理画面に誰が入れるのか、更新の期限はいつかを確認しましょう。自社の名義に移せる場合は、ドメインを変えずにリニューアルできます。

ドメインを変える前に確認すること

ドメインを変えると決める前に、影響の範囲を一度書き出してみましょう。思っていたより作業が多いと分かれば、ドメインは変えずにリニューアルだけを進める判断もしやすくなります。

ドメインを変える前に洗い出すこと

  • ホームページのアドレスを印刷している物(名刺、封筒、パンフレット、看板、車両、制服)
  • メールアドレスを使っている人数と、登録しているサービスの数
  • 取引先や業界団体、地域の紹介サイトなど、リンクを張ってもらっているところ
  • 広告、SNSのプロフィール、地図サービスに登録しているアドレス
  • 古いドメインの更新期限と、契約している登録サービス

書き出した項目が多いほど、ドメインの変更にかかる手間と費用は大きくなります。特に印刷物は、在庫がなくなる時期にあわせて切り替えると、無駄が少なくなります。ドメインの変更を急がず、印刷物の刷り直しの時期や、社名変更の登記の時期にあわせて計画するのも一つの方法です。

ドメインを変える場合の手順

ドメインを変えると決めた場合は、次の手順で進めます。

01新ドメインを取る新しいドメインを取得し、サーバーに設定02対応表を作る古いページと新しいページを1対1で並べる03サイトを公開新しいドメインでホームページを公開04301で転送する古いページから新しいページへ恒久的に転送05移転を知らせるSearch Consoleのアドレス変更ツールを使う06見守る検索の状況を確認し、転送を長く続ける
図解ドメインを変える場合の手順。古いドメインは解約せず、転送のために持ち続ける。

1. 古いページと新しいページの対応表を作る

古いドメインのすべてのページについて、新しいドメインのどのページに移るのかを、1行ずつ表にまとめます。古いページを、まとめてトップページに転送するのではなく、内容の対応するページに1対1で転送するのが基本です。

2. 301リダイレクトを設定する

301リダイレクトは、「このページは恒久的に新しいアドレスに移った」ことを、ブラウザと検索エンジンに伝える転送の方法です。古いアドレスにアクセスした人は、自動で新しいアドレスのページに移動します。設定の方法はサーバーによって異なり、サーバーの管理画面や、.htaccessというファイル、WordPressのプラグインなどで設定します。

3. Search Consoleでアドレスの変更を知らせる

Google Search Consoleには、ドメインを変更したことをGoogleに知らせる「アドレス変更ツール」があります。古いドメインと新しいドメインの両方をSearch Consoleに登録したうえで、古いドメインのプロパティからこのツールを使います。新しいドメインのサイトマップも送信しておきましょう。

4. 転送はできるだけ長く続ける

Googleは、サイトの移転のリダイレクトを、できるだけ長く、少なくとも1年は続けるよう案内しています。名刺や印刷物、外部のリンクのことを考えると、古いドメインは解約せず、転送のために更新を続けるのが安全です。古いドメインを解約すると、第三者に取得され、まったく別のサイトに使われるおそれもあります。

メールアドレスを変える場合の注意点

ドメインを変えてメールアドレスも変える場合は、次のことに注意します。

  • 古いメールアドレスでも、しばらくは受信できるようにしておく(転送や、両方のアドレスでの受信)
  • 取引先、金融機関、各種サービスへの登録のメールアドレスを、一覧にして順番に変更する
  • メールの署名を新しいアドレスに変える
  • 新しいドメインで、送信元を証明する設定(SPF、DKIMなど)を行い、迷惑メールに分類されにくくする

メールの設定は、ホームページの設定とは別に行う必要があるため、サーバーやメールサービスの案内に沿って、早めに準備しておきましょう。切り替えの当日は、社内の全員が新しいアドレスで送受信できるかを試し、取引先からのメールが古いアドレスに届いても見落とさないよう、受信の確認の担当を決めておくと安心です。

ドメインを変えずにリニューアルするときの注意点

ドメインを変えない場合でも、リニューアルでページのアドレスが変わることはよくあります。たとえば、「/company.html」が「/about/」に変わる、といった場合です。この場合も、古いページのアドレスから新しいページのアドレスへ、301リダイレクトを設定します。

リニューアル全体の進め方と、アドレスの対応表の作り方はホームページリニューアルの進め方で説明しています。新しいサーバーへの移し方はサーバーの設定、移す前のバックアップはバックアップを参照してください。

よくある質問

ドメインを変えると、検索順位は必ず下がりますか?

必ず下がるわけではありません。正しく301リダイレクトを設定し、アドレス変更ツールを使えば、評価は新しいドメインに引き継がれます。ただし、移転の直後は順位が一時的に変動することがあり、落ち着くまでに時間がかかることもあります。

ドメインを変えた後、古いドメインはいつ解約できますか?

転送は少なくとも1年は続けるのが目安ですが、印刷物や外部のリンクが残っている限り、古いドメインは持ち続ける方が安全です。年間の更新費用と、失うものを比べて判断しましょう。

ドメインの契約者が前の制作会社になっています。どうすればよいですか?

まず制作会社に連絡して、自社の名義に移してもらえるか相談しましょう。ドメインの移管や登録者の変更は、登録サービスの手続きで行えます。応じてもらえない場合は、ドメインを変えることも検討します。

「www」の有無を変えるのも、ドメインの変更になりますか?

「www.example.co.jp」と「example.co.jp」は、検索エンジンからは別のアドレスとして扱われます。どちらか一方に統一し、もう一方から301リダイレクトで転送しておきましょう。

参照した資料

制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。

確認日 2026.11.07