この記事の要点
- ホームページ制作には、小規模事業者持続化補助金の「ウェブサイト関連費」が使える。ただしウェブサイト関連費だけでの申請はできず、交付申請額の上限は30万円。
- 通常枠の補助上限は50万円、補助率は2/3以内(特例で上乗せあり)。補助金は後払いで、まず全額を自分で支払う必要がある。
- 対象になるのは交付決定日以降に発注・支払いをした費用。申請前に制作を始めると対象外になる。
- デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、事務局に登録されたITツールが対象。自治体独自の補助金もあるので、所在地の市区町村も調べる。
ホームページ制作に使える主な補助金
ホームページの制作費が対象になりうる主な補助金は次のとおりです。
| 制度 | ホームページとの関係 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓のためのウェブサイト関連費が対象経費に含まれる | 商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を作る |
| デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 事務局に登録されたITツールの導入が対象 | IT導入支援事業者と連携して申請する |
| 自治体の補助金 | 市区町村や都道府県が独自に、ホームページ制作などを対象にすることがある | 制度の有無、対象、時期は地域ごとに違う |
このうち、ホームページ制作で最もよく使われるのが小規模事業者持続化補助金です。以下ではこの制度を中心に説明します。
小規模事業者持続化補助金の基本
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者などが、自ら作った経営計画に基づいて行う販路開拓などの取り組みの経費の一部を補助する制度です。第20回の公募要領では、次のように定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 50万円(インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方で200万円の上乗せ) |
| 補助率 | 2/3以内(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4以内) |
| 対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 |
| 申請受付 | 2026年11月5日から12月15日17時まで(予定は変更の場合あり) |
| 事業支援計画書(様式4)の発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 補助事業の実施期限 | 2028年3月31日 |
申請には、地域の商工会または商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」が必要です。この書類の発行には締切があり、申請の締切よりも早く設定されています。公募要領では、締切以降の発行依頼はいかなる理由があってもできないとされているので、早めに相談に行きましょう。
ウェブサイト関連費の3つの決まり
ホームページの制作費は「ウェブサイト関連費」に当たります。公募要領では、販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト、システムなどの開発、構築、更新、改修、運用に要する経費とされ、次の決まりがあります。
1. ウェブサイト関連費だけでは申請できない
公募要領では、ウェブサイト関連費のみによる申請はできず、必ずほかの経費と一緒に申請するよう定められています。たとえば、ホームページの制作と合わせて、チラシの作成(広報費)や展示会への出展(展示会等出展費)など、販路開拓のための取り組みを組み合わせる必要があります。
2. 交付申請額の上限は30万円
ウェブサイト関連費として申請できる補助金の額には、30万円の上限があります。補助率が2/3の場合、補助金30万円に対応する経費は45万円です。それを超えるホームページの制作費は、自己負担になります。
3. 50万円(税抜)以上のホームページは処分が制限される
ウェブサイトやシステムを50万円(税抜)以上の費用で作成・更新した場合、そのウェブサイトは「処分制限財産」に当たり、補助金を受け取った後も、一定の期間(通常は取得日から5年間)は、目的外の使用、譲渡、廃棄などが制限されることがあります。期間内に処分する場合は、事務局の承認が必要で、補助金の一部を返還することになる場合があります。
申請から入金までの流れ
補助金は、申請すればすぐにもらえるものではありません。流れを知っておくことで、資金繰りや制作のスケジュールを立てやすくなります。
交付決定より前に発注してはいけない
補助事業の実施期間は、交付決定日から事業の実施期限までです。原則として、交付決定日より前に発注・契約・支払いをした費用は、補助の対象になりません。公募要領では、採択から交付決定までに概ね1〜2か月かかる場合があるとされています。ホームページを急いで公開したい場合は、補助金を使うかどうかを先に決めておきましょう。
補助金は後払い
公募要領にも明記されているとおり、補助金は後払いです。制作会社への支払いはいったん全額を自社で行い、補助事業が終わった後に実績報告書と証拠書類(見積書、発注書、請求書、振込の記録など)を提出し、金額が確定してから補助金が支払われます。その間の資金を用意しておく必要があります。
申請前に準備しておくこと
ホームページ制作で補助金を使う前のチェックリスト
- 公募要領の最新版で、対象者と対象経費、締切を確認した
- 地域の商工会・商工会議所に相談し、事業支援計画書の発行の締切を確認した
- ホームページ以外に、組み合わせる販路開拓の取り組み(チラシ、展示会など)を決めた
- 制作会社から、内訳がわかる見積書を取った
- 交付決定までは発注しないことを、制作会社と共有した
- 補助金が入るまでの支払いの資金を確保した
見積書は、補助金の申請と実績報告の両方で使います。「ホームページ制作一式」ではなく、作業ごとの内訳がわかる見積書を出してもらうと、申請書の作成が楽になります。見積書の見方はホームページ制作の見積書の見方を参照してください。
経営計画でホームページをどう位置づけるか
持続化補助金は、経営計画に基づく販路開拓の取り組みを支援する制度です。そのため、「ホームページを作りたい」だけでは計画として弱く、ホームページが販路開拓にどう役立つのかを説明する必要があります。
計画を考えるときは、次の順番で整理すると、ホームページの位置づけがはっきりします。
- 今の販路と課題:今はどこから仕事を得ていて、何が足りないのか(例:紹介に頼っていて新しい地域のお客様に知られていない)
- 狙うお客様:誰に新しく知ってもらいたいのか(例:隣の市で住宅のリフォームを考えている人)
- 取り組みの組み合わせ:ホームページで何を伝え、チラシや展示会など他の取り組みとどうつなげるのか(例:チラシのQRコードから施工事例のページに案内する)
- 効果の確かめ方:問い合わせの件数や来店数など、何を見て効果を判断するのか
この整理は、補助金を使わない場合でも、ホームページの目的をはっきりさせるのに役立ちます。計画づくりは商工会・商工会議所に相談しながら進めることができます。
デジタル化・AI導入補助金と自治体の補助金
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
2026年から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」という名前に変わりました。この補助金は、事務局に登録されたITツールを、IT導入支援事業者と連携して導入する場合が対象です。ホームページの制作そのものではなく、登録されたツール(予約システム、ネットショップ機能、会計ソフトなど)の導入が対象になるため、使いたいツールが登録されているかを公式サイトの「ITツール検索」で確認しましょう。
自治体の補助金
都道府県や市区町村が、独自にホームページ制作やデジタル化の費用を補助している場合があります。制度の名前や対象、予算の時期は自治体によって違うため、所在地の自治体のホームページや、商工会・商工会議所で確認するのが確実です。
補助金を使わないほうがよい場合もある
補助金は魅力的ですが、すべての場合に向いているわけではありません。
- すぐに公開したい:交付決定まで発注できないため、公開が数か月先になります。
- 費用が小さい:テンプレートを使って数万円で作れる場合、申請や報告の手間のほうが大きくなることがあります。
- ホームページ以外の取り組みがない:ウェブサイト関連費だけでは申請できません。
CRAFTのテーマのように、テーマ1種類10,000円(税込)、初回セットアップ19,800円(税込)で始められる方法もあります。費用の全体像はホームページ制作の費用相場、補助金を受けたときの会計の考え方はホームページ制作費の勘定科目を参照してください。
よくある質問
ホームページの制作費だけで持続化補助金を申請できますか?
できません。第20回の公募要領では、ウェブサイト関連費のみによる申請はできず、ほかの経費と一緒に申請する必要があるとされています。
持続化補助金で、ホームページにいくらまで補助が出ますか?
ウェブサイト関連費の交付申請額の上限は30万円です。補助率が2/3の場合、対象経費45万円で補助金30万円になります。それを超える分は自己負担です。
すでに作り始めたホームページの費用は対象になりますか?
原則として対象になりません。補助事業の実施期間は交付決定日からで、それより前に発注・契約した費用は対象外です。
補助金はいつ受け取れますか?
補助事業を終えて実績報告書と証拠書類を提出し、補助金の額が確定した後に支払われます。制作費はいったん全額を自社で支払う必要があります。
リニューアルにも使えますか?
ウェブサイト関連費には、ウェブサイトの更新や改修も含まれています。ただし、販路開拓の取り組みであることなど、ほかの要件も満たす必要があるため、商工会・商工会議所に相談してください。
自分で作るホームページでも補助金の対象になりますか?
ウェブサイト関連費は、ウェブサイトの開発や構築などに要する経費が対象です。自社の人件費のように外部への支払いがない作業は、通常は対象経費になりません。テーマやサービスの購入費が対象になるかどうかは、公募要領と事務局の案内で確認してください。
参照した資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。
確認日 2026.11.07
