この記事の要点

  • WordPress本体はGPL(GNU General Public License)というライセンスで配布されている。使う・調べる・改変する・再配布する自由が認められている。
  • WordPressのテーマのプログラム部分も、GPLかGPLと両立するライセンスで配布されることが多い。
  • 有料テーマの「ライセンス」は、プログラムの権利だけでなく、更新・サポートを受けられる範囲や、使ってよいサイト数を指していることが多い。
  • 画像・フォント・アイコンなどの素材は、プログラムとは別のライセンスになっていることがある。利用規約で確認する。

ライセンスとは何か

ライセンスとは、作った人(著作権を持つ人)が、ほかの人に「この条件なら使ってよい」と認める約束のことです。ソフトウェアやデザイン、写真、フォントなどには著作権があり、作った人の許可なく複製したり配ったりすることはできません。ライセンスは、その許可の範囲を決めたものです。

ホームページで使うものには、次のようにそれぞれライセンスがあります。

  • WordPress本体
  • テーマ(プログラム、デザイン、同梱の画像やフォント)
  • プラグイン
  • 写真やイラストなどの素材
  • フォント

GPLとは

GPL(GNU General Public License)は、ソフトウェアを自由に使えるようにするためのライセンスの一つです。WordPress本体は、GPLの第2版またはそれ以降の版(GPLv2 or later)で配布されています。

01使うどんな目的でも実行できる02調べる仕組みを調べ、ソースコードを読める03改変する自分の必要に合わせて書き換えられる04配る元のままでも改変後でも配布できる
図解GPLで認められている4つの自由。利用者はソフトウェアを使い、調べ、改変し、配ることができる。

GPLで認められていること

WordPress.orgの説明によると、GPLのもとでは、ソフトウェアをどんな目的でも使うこと、仕組みを調べて書き換えること、元のままや改変したものを配布することが認められています。つまり、WordPressは会社のホームページなど商用の目的にも、追加の料金なしで使えます。

GPLで求められていること

一方で、GPLのソフトウェアを改変して配布するときには、受け取った人にも同じ自由を与える(同じGPLで配布し、ソースコードを入手できるようにする)ことが求められます。これがGPLの大きな特徴で、自由を次の人にも引き継ぐ仕組みになっています。

ただし、自社のホームページで使うために改変するだけで、ほかの人に配布しないのであれば、この条件が問題になることは通常ありません。

テーマとGPLの関係

WordPressのテーマは、WordPress本体の仕組みの上で動くプログラムです。WordPress.orgのライセンスのページでは、プラグインやテーマはWordPressの派生物であり、GPLを引き継ぐものだという考えが示されています。また、公式のテーマディレクトリに掲載されるテーマは、GPLかGPLと両立するライセンスであることが求められています。

有料で販売されているテーマも、プログラム部分はGPLで配布されているものが多くあります。

WordPressテーマPHPのプログラムGPLかGPLと両立するライセンスが多いCSS・JavaScriptテーマによって扱いが違う。規約で確認画像・イラスト別のライセンスのことがあるフォント・アイコンそれぞれの配布元のライセンスに従う
図解テーマを構成する部分ごとのライセンスの考え方。プログラムと素材でライセンスが違うことがある。

素材は別のライセンスのことがある

テーマには、プログラムのほかに、サンプル画像、イラスト、アイコン、フォントなどの素材が入っていることがあります。こうした素材は、プログラムとは別のライセンスで提供されていることがあり、「テーマの中で使う場合に限り使用できる」「ほかのサイトへの流用は不可」といった条件が付いていることもあります。

特に、デモサイトに使われている写真は、テーマには含まれていない、または差し替えて使うことを前提にしている場合があります。そのまま使ってよいかどうかは、利用規約で確認しましょう。画像の著作権についてはホームページの画像と著作権で詳しく説明しています。

有料テーマの「ライセンス」が指しているもの

有料テーマの販売ページで「1サイトライセンス」「無制限ライセンス」と書かれている場合、その「ライセンス」はGPLとは別の意味で使われていることがよくあります。

有料テーマの「ライセンス」が指していることが多い内容
内容説明
使ってよいサイトの数1サイト、数サイト、無制限など
更新を受けられる範囲新しい版をダウンロードできる期間やサイト数
サポートを受けられる範囲質問できる期間や方法
素材の使用範囲同梱の画像やフォントを使ってよい範囲
使ってよい人購入者本人のみか、お客様のサイトに使う制作会社も含むか

つまり、プログラム自体はGPLで自由に扱えるとしても、販売元が提供する「更新」「サポート」「素材」には、購入したプランに応じた条件があるということです。購入前に、どの範囲で使えるのかを規約で確かめておきましょう。

よくある疑問

1つ買えば何サイトでも使えるのか

テーマのプログラムがGPLであれば、法的には複数のサイトで使うことは妨げられないという考え方があります。ただし、販売元の規約で「1サイトにつき1ライセンス」と定めている場合、ほかのサイトでは更新やサポートが受けられなかったり、素材を使えなかったりします。また、規約に反する使い方は販売元との信頼関係を損ないます。規約で定められた範囲で使うのが基本です。

制作会社がお客様のサイトに使ってよいか

制作会社やフリーランスがお客様のサイトにテーマを使う場合は、規約で認められているかを確認しましょう。お客様ごとに購入する必要があるもの、制作会社向けのライセンスが別にあるものなどがあります。また、購入したのが制作会社か、お客様の会社かによって、制作の契約が終わった後に誰が更新を受けられるかが変わります。

「GPLだから」と配布されているテーマは使ってよいか

インターネット上には、有料テーマを「GPLだから再配布してよい」として、安く、または無料で配っているサイトがあります。しかし、そうしたものは販売元からの更新やサポートを受けられず、素材が含まれていて権利を侵害している可能性や、不正なプログラムが仕込まれている可能性もあります。会社のホームページで使うテーマは、正規の販売元から購入しましょう。

購入前に確認すること

テーマのライセンスで確認すること

  • プログラム部分のライセンスは何か(GPLなど)
  • 使ってよいサイトの数
  • 更新とサポートを受けられる期間と範囲
  • 同梱の画像・フォント・アイコンを使ってよい範囲
  • 制作会社がお客様のサイトに使う場合の条件
  • 購入者の名義(自社か制作会社か)

テーマ名や配布元がわからないサイトを引き継いだときは、まずどのテーマが使われているかを調べましょう。調べ方はWordPressテーマ名の調べ方で説明しています。

CRAFTのテーマのライセンス

CRAFTのテーマは、テーマ1種類につき基本10,000円(税込)の買い切りです。利用範囲を広げる場合のライセンスは30,000円(税込)です。どの範囲で使えるかはライセンスと利用範囲に、テーマに含まれるものはテーマの説明書にまとめています。買い切り型とサブスク型の違いは買い切りとサブスクの比較を参照してください。

よくある質問

GPLのテーマは会社のホームページ(商用)に使ってよいですか?

GPLは、どんな目的でもソフトウェアを使うことを認めているため、会社のホームページに使えます。ただし、同梱の素材や、販売元の規約で定められた使用範囲は別に確認が必要です。

テーマを自社用に改変したら、ソースコードを公開しなければいけませんか?

自社のホームページで使うために改変するだけで、ほかの人に配布しないのであれば、ソースコードを公開する必要は通常ありません。改変したテーマを配布する場合は、GPLの条件に従う必要があります。

子テーマを作った場合、ライセンスはどうなりますか?

子テーマは親テーマの仕組みを使って動くため、親テーマのライセンスに沿って扱うのが一般的です。自社で使うだけなら問題になることはほとんどありません。子テーマについては子テーマは必要かを参照してください。

テーマのデモサイトの写真をそのまま使ってよいですか?

テーマによって違います。デモの写真はテーマに含まれていない、または差し替えが前提のこともあります。利用規約で、写真を使ってよいかを確認してください。

参照した資料

制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。

確認日 2026.11.07