この記事の要点
- リニューアルは、今のホームページの良いところを残しながら、足りないところを直す作業。ゼロから作るのとは考え方が違う。
- 進め方は、現状の確認 → 目的を決める → 範囲を決める → 構成 → 原稿と写真 → 制作 → 移行の準備 → 公開と点検の8つ。
- 検索順位を落とさないために、ドメインを変えない、アドレスが変わるページは転送する、よく見られているページの内容を残す。
- 公開後は、表示の崩れ、フォームの送信、検索の状況を1〜3か月ほど見守る。
リニューアルを考える時期
ホームページのリニューアルを考えるきっかけには、次のようなものがあります。
| きっかけ | よくある状態 |
|---|---|
| スマホで見にくい | 文字が小さく、拡大しないと読めない。ボタンが押しにくい |
| 情報が古い | 事業内容、料金、スタッフ、写真が今と違う |
| 自分で更新できない | 更新のたびに制作会社に頼む必要があり、費用と時間がかかる |
| 問い合わせが来ない | 見に来る人はいるのに、問い合わせや資料請求につながらない |
| 仕組みが古い | 古いCMSやPHPのまま。セキュリティの更新が止まっている |
| 会社が変わった | 事業の追加、社名や代表者の変更、移転、ブランドの変更 |
一般に、ホームページは5年前後でリニューアルを考える会社が多いと言われますが、年数よりも「今の会社の姿を正しく伝えられているか」「見に来た人が困っていないか」で判断するのが確実です。逆に、作ってから年数が経っていても、内容が新しく、スマホでも見やすく、お問い合わせも来ているなら、急いでリニューアルする必要はありません。
リニューアルの全体の流れ
リニューアルは、次の8つの手順で進めます。
手順1:今のホームページの状態を確認する
リニューアルで最初にやるべきことは、今のホームページの状態を正しく知ることです。思い込みで作り直すと、本当はよく見られていたページを消してしまうことがあります。
今のホームページで確認すること
- ページの一覧(どんなページが、何ページあるか)
- よく見られているページと、検索で多く表示されているページ
- お問い合わせや電話がどのページから来ているか
- 検索でどんな言葉から来ているか
- ほかのサイトからリンクされているページ
- スマホでの見え方と、表示の速さ
- サーバー、ドメイン、CMSの契約と、管理画面のログイン情報
アクセスの数字は、Googleアナリティクス(GA4)やGoogle Search Consoleで確認できます。まだ入れていない場合は、リニューアルの検討を始めた時点で入れておくと、リニューアルの前後で比べられます。Search Consoleの使い方はSearch Consoleの設定、アクセス解析の基本はGA4でアクセス解析を始める方法で説明しています。
手順2:リニューアルの目的を決める
「古くなったから」だけでリニューアルを始めると、新しいホームページの良し悪しを判断する基準がなくなります。リニューアルで何を良くしたいのかを、具体的に決めておきましょう。
リニューアルの目的の例
・スマホで見やすくして、スマホからのお問い合わせを増やしたい
・社内で、お知らせや施工事例を更新できるようにしたい
・新しく始めた事業を、ホームページでもしっかり紹介したい
・採用ページを充実させて、応募を増やしたい
・古い仕組みをやめて、セキュリティの心配を減らしたい
目的が決まると、どのページに力を入れるのか、どの機能が必要なのかが決めやすくなります。また、公開後に「目的を達成できたか」を確かめることもできます。目的が複数ある場合は、優先順位も決めておきましょう。予算や期間が足りなくなったとき、何を後回しにするかの判断に使えます。
手順3:作り直す範囲と予算を決める
リニューアルには、見た目だけを新しくするものから、仕組みごと作り直すものまで、いくつかの段階があります。
予算は、制作費だけでなく、サーバーやドメイン、保守の費用、写真の撮影費なども含めて考えます。ホームページの費用の考え方はホームページ制作の費用相場、年間の費用はホームページの維持費で説明しています。WordPressのテーマを使って作り直す方法なら、デザインの土台を一から作らなくてよい分、費用と期間を抑えやすくなります。
手順4:ページの構成を決める
今のホームページのページ一覧をもとに、新しいホームページの構成を決めます。ページごとに「残す」「統合する」「新しく作る」「なくす」を決めていきます。
- 残す:よく見られているページ、問い合わせが来ているページ
- 統合する:内容が重なっているページ、1ページだけ極端に短いページ
- 新しく作る:足りなかった情報、新しい事業や採用のページ
- なくす:終わったキャンペーン、見られていない古いお知らせ
注意したいのは「なくす」ページです。ほとんど見られていないように見えても、検索から少しずつ人が来ていたり、ほかのサイトからリンクされていたりすることがあります。なくす場合も、内容の近いページに転送する設定をしておくと安心です。サイトマップの作り方はサイトマップとページ構成の決め方で説明しています。
手順5:原稿と写真を見直す
リニューアルは、ホームページの内容を見直す良い機会です。見た目を新しくしても、文章や写真が古いままでは、リニューアルの効果は半分になってしまいます。
- 事業内容、料金、営業時間、所在地などの情報が今と合っているか
- 代表者、スタッフ、設備の写真が古くなっていないか
- よく受ける質問に答える内容が載っているか
- 実績や事例を新しいものに入れ替えられるか
原稿と写真の準備は、制作の中で最も時間がかかる部分です。制作会社に頼む場合でも、内容を一番よく知っているのは自社なので、早めに準備を始めましょう。文章の書き方はホームページの文章の書き方、写真の用意はテーマの写真の用意を参照してください。
手順6:制作と確認
構成と原稿がそろったら、デザインとページの制作に入ります。制作中は、パソコンとスマホの両方で表示を確認し、文字の間違いやリンク切れがないかを点検します。
新しいホームページは、今のホームページを動かしたまま、別の場所(テスト環境)で作るのが一般的です。テスト環境が検索エンジンに登録されないように、検索エンジンに表示させない設定や、パスワードをかけておきます。テスト環境の作り方はテスト環境の作り方で説明しています。
手順7:移行の準備をする
リニューアルで最も大切なのが、この移行の準備です。新しく作るときにはない作業で、ここを省くと検索順位やお問い合わせに影響が出やすくなります。
アドレスの対応表を作る:今のページのアドレスと、新しいページのアドレスを1行ずつ並べた表を作ります。アドレスが変わるページは、古いアドレスにアクセスした人を新しいアドレスへ自動で送る「301リダイレクト(恒久的な転送)」を設定します。Googleも、サイトの移転ではリダイレクトを使うよう案内しています。
| 今のアドレス | 新しいアドレス | 対応 |
|---|---|---|
| /company.html | /about/ | 転送する |
| /service.html | /service/ | 転送する |
| /news/2019-campaign.html | /news/ | 一覧へ転送する |
| /contact/ | /contact/ | 変更なし |
計測の設定を引き継ぐ:GA4、Search Console、広告の計測タグなどを、新しいホームページにも入れておきます。入れ忘れると、リニューアルの効果を確かめられなくなります。
ドメインはできるだけ変えない:ドメインを変えると、それまでの評価を引き継ぐのに時間がかかり、名刺や印刷物の作り直しも必要になります。理由と注意点はリニューアルでドメインを変えない理由で説明しています。
手順8:公開と、公開後の点検
公開の日は、お問い合わせが少ない曜日や時間帯を選び、何かあってもすぐ対応できる日にします。公開したら、すぐに次のことを確認します。
公開直後に確認すること
- すべてのページがパソコンとスマホで正しく表示されるか
- お問い合わせフォームが送信でき、メールが届くか
- 古いアドレスから新しいアドレスへ転送されるか
- 検索エンジンに表示させない設定が外れているか
- GA4やSearch Consoleでデータが取れているか
- SSL(https)が有効になっているか
特に多いのが、テスト環境で使っていた「検索エンジンに表示させない」設定を外し忘れる失敗です。WordPressでは「設定」→「表示設定」にある項目なので、必ず確認しましょう。公開前の確認項目は公開前チェックにまとめています。
公開後1〜3か月は、検索での表示回数、アクセス数、お問い合わせの数を見守ります。リニューアル直後は、検索の順位が一時的に上下することがありますが、転送が正しく設定されていれば、多くの場合は落ち着いていきます。大きく下がったまま戻らない場合は、転送の漏れや、内容を大きく減らしたページがないかを確認します。
公開したことを知らせるお知らせの書き方はリニューアルのお知らせの例文で紹介しています。
リニューアルの期間の目安
リニューアルにかかる期間は、範囲とページ数によって大きく変わります。下の図は、構成から見直す中くらいの規模のリニューアルを、約3か月で進める場合の例です。
図の数字は週を表した目安で、実際の期間は会社ごとに違います。社内の確認に時間がかかることが多いため、誰が最終的に決めるのかを最初に決めておくと、全体が早く進みます。
よくある失敗
特に、前の制作会社が管理していたホームページでは、サーバーやドメインの契約者が誰になっているか、ログイン情報を誰が持っているかが分からなくなっていることがよくあります。リニューアルを決めたら、早めに確認しておきましょう。
自社で進めるか、制作会社に頼むか
リニューアルを自社で進めるか、制作会社に頼むかは、社内の時間と、仕組みの移行の難しさで判断します。見た目の更新や、WordPressのテーマを使った構成の見直しであれば、自社で進めることもできます。一方で、ほかのCMSからの移行や、ページ数の多いサイトの転送設定などは、経験のある人に頼んだ方が安全です。
判断の考え方は自分で作るか外注するか、制作会社に要望を伝える資料はリニューアルの依頼書の作り方で説明しています。WordPressでの移行の手順はWordPressの移行チェックリストを参照してください。
よくある質問
リニューアルすると、検索順位は下がりますか?
必ず下がるわけではありません。ドメインを変えず、アドレスが変わるページに転送を設定し、よく見られているページの内容を残せば、影響は小さく抑えられます。公開直後に一時的に上下することはありますが、多くの場合は落ち着いていきます。
リニューアルの費用はどれくらいですか?
範囲とページ数、仕組みを変えるかどうかで大きく変わります。見た目の更新だけなら比較的少なく、仕組みごと作り直す場合は新しく作るのと同じくらいかかることもあります。複数の見積もりを、同じ条件で比べることをおすすめします。
リニューアル中も、今のホームページは見られますか?
テスト環境で新しいホームページを作り、完成してから切り替える方法なら、リニューアル中も今のホームページはそのまま見られます。切り替えの日だけ、短い時間表示が不安定になることがあります。
古いお知らせのページは消してもよいですか?
見られていないページは整理して構いませんが、検索から人が来ていたり、ほかのサイトからリンクされていたりする場合は、お知らせの一覧などに転送しておくと安心です。消す前に、アクセスの数字を確認しましょう。
リニューアルとあわせてサーバーも変えるべきですか?
今のサーバーで新しいPHPやWordPressの要件を満たせない場合や、表示が遅い場合は、あわせて見直す良い機会です。ただし、作業が増えるほど切り替えの手間とトラブルの可能性も増えるため、必要性を確認してから決めましょう。
参照した資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。
確認日 2026.11.07
