この記事の要点
- 会社のホームページなら、管理の手間が少ない共用サーバーのWordPress向けプランが選ばれることが多い。
- まずWordPressの推奨環境(PHP 8.3以上、MariaDB 10.11以上またはMySQL 8.0以上、HTTPS)に対応しているかを見る。
- 次にバックアップと復元、セキュリティ、サポートを確認する。トラブルのときに差が出る部分。
- 料金は更新時の金額と契約期間で比べる。会社のメールを使うなら、メールの機能も確認する。
サーバー選びの全体像
サーバー選びで見る点は多くありますが、会社のホームページでは、次の8つを押さえておけば大きな失敗は避けられます。
1. WordPressの推奨環境に対応しているか
WordPress.orgは、WordPressを動かすサーバーの推奨環境として、PHP 8.3以上、MariaDB 10.11以上またはMySQL 8.0以上、HTTPSへの対応を挙げています。PHPはWordPressを動かすプログラムの言語、MariaDBやMySQLは文章や設定を保存するデータベースです。
日本の主なレンタルサーバーの多くは、これらの条件に対応しています。ただし、古いプランや安いプランでは、PHPやデータベースの版が古いままのこともあります。サーバー会社のサイトの「仕様」や「機能一覧」で、使えるPHPの版とデータベースの種類を確認しましょう。管理画面からPHPの版を切り替えられるかどうかも、長く使ううえで大切です。
簡単インストールの機能
多くのレンタルサーバーには、管理画面からWordPressをインストールできる機能があります。サイトの名前やログイン情報を入力するだけで、データベースの作成からインストールまでを自動で行ってくれます。初めての人でも迷いにくくなるため、この機能があるかも見ておきましょう。インストールの手順はWordPressのインストールで説明しています。
2. バックアップと復元
ホームページのデータは、操作の間違い、更新の失敗、不正なアクセスなどで失われることがあります。そのときに元に戻せるかどうかは、バックアップで決まります。
バックアップで確認すること
- 自動でバックアップを取ってくれるか(追加料金はかかるか)
- 何日分のバックアップが保存されるか
- ファイルとデータベースの両方が対象か
- 管理画面から自分で復元できるか。復元に料金はかかるか
- 特定の日の状態に戻せるか
サーバーのバックアップに加えて、WordPressのプラグインなどで自分でもバックアップを取っておくと、より安心です。バックアップの取り方はバックアップで説明しています。
3. セキュリティ
WordPressは利用者が多いため、不正なログインや攻撃の対象になりやすい面があります。サーバー側の機能で、こうした攻撃をある程度防ぐことができます。
確認したい機能には、次のようなものがあります。
- WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール):ホームページへの不正な通信を見分けて止める
- 管理画面へのアクセス制限:海外からのログインを制限するなど
- ウイルスチェック:サーバー上のファイルやメールを調べる
- 無料のSSL:通信を暗号化してhttpsで表示する
サーバーの機能だけで安全になるわけではありません。WordPress本体、テーマ、プラグインを最新に保ち、管理画面のパスワードを強くし、2段階認証を使うことも必要です。詳しくはWordPressのログインのセキュリティを参照してください。
4. サポート
ホームページが表示されない、メールが届かないといったトラブルは、急に起こります。そのときに相談できる窓口があるかどうかは、社内にサーバーに詳しい人がいない会社ほど重要です。
サポートの方法は、電話、メール、チャット、問い合わせフォームなどがあり、受付時間もサービスによって違います。電話のサポートは、上位のプランだけのこともあります。また、サポートの範囲が「サーバーの機能について」に限られ、WordPressの使い方やプラグインの不具合は対象外のことが多い点も知っておきましょう。
5. 表示の速さ
ホームページの表示が遅いと、見に来た人が待ちきれずに離れてしまうことがあります。表示の速さは、サーバーの性能だけでなく、画像の大きさやプラグインの数などにも左右されますが、サーバー側の仕組みも大きく関わります。
速さに関わる主な仕組みには、ページのデータを一時的に保存しておいて素早く返すキャッシュ、データを読み書きする装置に速いSSDを使っていること、新しい通信の方式への対応などがあります。サーバー会社の数字の比較だけで判断するより、こうした仕組みがあるかどうかを確認する方が実際的です。速さの確かめ方は表示速度を参照してください。
6. 料金と契約期間
料金は、毎月の金額だけでなく、契約期間と更新時の料金を合わせて考えます。
料金を比べるときの見方(仮の値)
説明のための仮の値です。実在のサービスの料金ではありません。
・サーバーA:キャンペーンで月1,000円(3年契約)、更新後は月1,300円
・サーバーB:月1,200円(1年契約)、更新後も同じ
最初の3年だけを見るとAが安いですが、5年使うと、Aは1,000円×36か月+1,300円×24か月=67,200円、Bは1,200円×60か月=72,000円です。何年使うかと、更新後の料金で比べましょう。
長い期間でまとめて払うと月あたりは安くなりますが、途中で解約しても返金されないことがあります。初めてで不安な場合は、短い期間で始めて、使い勝手を確かめてから長い契約にする方法もあります。
プランの選び方
会社のホームページなら、多くの場合、各社の標準的なプランで十分です。サイトの数、容量、作れるメールアドレスの数がプランごとにどう違うかを見て、今後増える予定のサイトも含めて足りるプランを選びましょう。上位のプランには、性能が高い、サポートが手厚いといった違いがあります。
7. メール
会社のドメインでメールアドレスを使う場合、ホームページと同じサーバーでメールを使うことが多くなります。
メールで確認すること
- 作れるメールアドレスの数
- 1つのアドレスの容量
- 迷惑メールのフィルターやウイルスチェックがあるか
- 送ったメールが迷惑メールと判定されにくくする設定(送信ドメイン認証)ができるか
- スマホやパソコンのメールソフトで使えるか
ホームページのお問い合わせフォームから送るメールが届かない、迷惑メールに入ってしまう、というトラブルもよくあります。フォームのメールの届け方はWordPressのメールが届かないときで説明しています。
メールの重要度が高い会社では、メールだけを専門のサービスに分けることもあります。そうすれば、サーバーを引っ越すときにメールへの影響を小さくできます。
8. 移転のしやすさ
今あるホームページを新しいサーバーに移す場合や、将来サーバーを変える可能性がある場合は、移転のしやすさも確認しておきます。WordPressのサイトを簡単に移せる機能や、移転の代行を用意しているサーバー会社もあります。
移転では、データを移すだけでなく、ドメインの設定の切り替え、メールの設定、SSLの設定など、いくつもの作業が必要です。移転のときの手順はWordPressの引っ越しのチェックリストで説明しています。
申し込みの前に決めておくこと
サーバーを選んだら、申し込みの前に次のことを決めておきましょう。
- 契約の名義:自社の名義で契約する
- 管理するアカウント:管理画面のログイン情報を、社内の決まった場所に記録する
- 支払い方法:会社のカードや請求書払いを使い、更新の時期を記録する
- ドメイン:サーバーと同じ会社で取るか、別の会社で取るか
制作会社にホームページを頼む場合も、サーバーは自社の名義で契約し、制作会社にはアカウントを共有する形にしておくと、契約を終えた後も自社で管理を続けられます。ドメインの取得はドメインの取得手順、サーバーを借りた後の流れはWordPressの始め方を参照してください。
サーバー選びでよくある失敗
最後に、サーバー選びでよく見られる失敗をまとめておきます。
1つ目は、最初の料金だけで選んでしまうことです。キャンペーンの料金は契約の初回だけのことが多く、更新後に思ったより高くなることがあります。2つ目は、バックアップを確認していないことです。トラブルが起きてから、復元に料金がかかる、または古いバックアップしかないとわかることがあります。3つ目は、名義やアカウントを制作会社や担当者個人に任せきりにすることです。担当者が変わったときに、誰も管理画面に入れなくなることがあります。
これらはどれも、申し込みの前に確認すれば防げます。上の8つの点と合わせて、確認してから申し込みましょう。
よくある質問
会社のホームページなら、共用サーバーとVPSのどちらがよいですか?
サーバーの専門知識がない場合は、管理をサーバー会社に任せられる共用サーバーがおすすめです。VPSは自由に設定できる反面、安全の管理やソフトウェアの更新を自分で行う必要があります。
WordPress専用のサーバーを選ぶべきですか?
WordPress向けのプランは、インストールや表示を速くする機能が整っていて便利です。ただし、一般的な共用サーバーでもWordPressは問題なく動きます。推奨環境への対応とバックアップ、サポートを確認して選びましょう。
安いサーバーでも大丈夫ですか?
会社のホームページの多くは、標準的なプランで十分に動きます。ただし、料金が極端に安いプランは、PHPの版が古い、バックアップがない、サポートが限られるといった制限があることがあります。料金と合わせて中身を確認しましょう。
今のサーバーが古い場合、変えた方がよいですか?
PHPの版が新しくできない、表示が遅い、サポートが終わるといった場合は、変えることを検討しましょう。PHPの版の確認と更新はPHPのバージョンで説明しています。
参照した資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。
確認日 2026.11.07
