この記事の要点
- ホームページの役割は「集客」だけでなく、名前を聞いた人が確かめに来たときの受け皿になること。
- 紹介や取引先経由の仕事が中心の会社ほど、検索で確かめられたときに見つからないことが不安材料になる。
- SNSや地図サービスは便利だが、自社で管理できる正式な情報の置き場としてはホームページが向いている。
- 最初から大きく作る必要はない。会社概要・事業内容・問い合わせの数ページで始めて、育てていけばよい。
ホームページが「いらない」と言われる3つの理由
まず、「いらない」という意見にも一理あることを確認しておきましょう。よく挙がる理由は次の3つです。
1. 紹介や既存の取引先だけで仕事が足りている
新規のお客様を探していない会社にとって、検索から問い合わせを集めるためのホームページは優先度が低く見えます。営業はこれまでどおり人のつながりで行い、ホームページに時間とお金をかけるより本業に集中したい、という考え方です。
2. SNSや地図サービスで代わりになる
飲食店や店舗などでは、InstagramやGoogleの地図に表示される店舗情報(Googleビジネスプロフィール)を見て来店する人が多く、ホームページを見なくても用が足りる場合があります。無料で始められ、更新も手軽です。
3. 作っても成果が出なかった
以前に作ったホームページから問い合わせがなかった、更新されないまま古くなってしまった、という経験から「作っても意味がない」と感じている会社もあります。
集客以外のホームページの役割
ホームページの役割は、大きく分けると次の4つです。集客はそのうちの一つにすぎません。
名前を聞いた人が「確かめに来る」受け皿
紹介を受けた人や、初めて取引を検討する会社の担当者は、多くの場合、まず会社名で検索します。そのとき、ホームページがあれば、事業内容や所在地、代表者、実績などを確かめられます。紹介が中心の会社こそ、この「確かめられる場所」があるかどうかが、最初の印象を左右します。
採用の入口
求人サイトや求人票を見た応募者も、会社名で検索して、どんな会社かを調べます。仕事の様子や職場の写真、代表の考え方が伝わるページがあると、応募の判断材料になります。採用ページの作り方は採用ページの書き方で説明しています。
自社で管理できる「正式な情報」の置き場
SNSや外部のサービスは、運営会社の方針で表示のされ方や機能が変わることがあります。アカウントに問題が起きれば、情報を出せなくなる可能性もあります。ホームページは、自社名義のドメインとサーバーで運営すれば、自社の判断で情報を載せ続けられます。住所や電話番号、営業時間の変更、休業のお知らせなど、正確さが求められる情報の「本家」として使えます。
ホームページがないと困りやすい場面
実際にどんな場面で困るのかを、具体的に見てみましょう。
| 場面 | 起きやすいこと | ホームページがあれば |
|---|---|---|
| 紹介を受けた人が検索した | 情報が見つからず、問い合わせをためらう | 事業内容と実績を見て安心して連絡できる |
| 新しい取引先との契約前 | 会社の実在や事業内容を確かめにくい | 会社概要や所在地で確認できる |
| 求人に応募しようとした | 会社の雰囲気がわからず応募を見送る | 仕事の様子や職場の写真が判断材料になる |
| 営業時間や住所が変わった | 古い情報が外部サイトに残り続ける | 自社のページで正しい情報を出せる |
| 金融機関や補助金の手続き | 事業の内容を説明する資料が別途必要になる | 事業内容のページを案内できる |
いずれも、ホームページがないことで仕事を「失った」と気づきにくいのが特徴です。問い合わせの前でやめた人は、連絡をしてこないからです。
作るべき会社・後回しでもよい会社の見分け方
次のチェックリストで、当てはまる項目が多いほど、ホームページを作る意味が大きくなります。
ホームページを作ったほうがよい会社の目安
- 紹介や取引先経由で、初めての相手から連絡を受けることがある
- 法人や行政など、取引前に相手を確認する会社と仕事をしている
- 人を採用したい、または今後採用する予定がある
- 地域の人に検索で見つけてもらいたい(店舗、工務店、士業、クリニックなど)
- サービスの内容や料金を、毎回口頭で説明している
- 名刺やチラシに載せられる「詳しくはこちら」の行き先がない
反対に、取引先が数社に固定されていて新規の取引も採用も予定がない、店舗の情報は地図サービスで十分に伝わっている、という場合は、急いで作らなくても困らないこともあります。その場合も、会社名で検索されたときのために、最低限の会社概要だけを載せたページを用意しておくと安心です。
SNS・地図サービスとの使い分け
ホームページとSNS、地図サービスは、どれか一つを選ぶものではなく、役割を分けて組み合わせるものです。
| 手段 | 得意なこと | 苦手なこと |
|---|---|---|
| ホームページ | 正式な情報の整理、詳しい説明、実績の蓄積 | 情報を広く拡散すること |
| SNS | 新しい情報の発信、日々の雰囲気を伝えること | 過去の情報を探しやすく整理すること |
| 地図サービス(Googleビジネスプロフィールなど) | 近くで探している人に見つけてもらうこと | 長い説明や詳しいサービス紹介 |
たとえば、SNSで日々の様子を発信し、プロフィール欄からホームページへ案内し、地図サービスのウェブサイト欄にもホームページのURLを登録する、という形にすると、それぞれの強みが生きます。地図サービスとホームページのつなげ方はGoogleビジネスプロフィールとホームページの連携で説明しています。
作るなら、どこまで作れば十分か
最初から多くのページを作る必要はありません。まずは「会社名で検索した人が困らない」ことを目標に、次のページから始めるのが現実的です。
- トップページ(何の会社かが一目でわかる)
- 事業内容・サービス
- 会社概要(所在地、代表者、連絡先)
- 実績・事例(数件からでよい)
- お問い合わせ
この5ページ前後の構成の考え方は小さな会社の5ページ構成で詳しく説明しています。採用やよくある質問、お知らせは、必要になったときに追加していけば十分です。会社ホームページに載せる内容の全体像は会社ホームページに載せる内容を参照してください。
成果が出なかった経験がある場合
以前のホームページで成果が出なかった場合、多くは「誰に何をしてほしいか」が決まっていなかったか、情報が古いまま放置されていたことが原因です。今回は、目的を「確かめに来た人に安心してもらう」に絞り、実績やお知らせを少しずつ足していく運用を決めておくと、同じ失敗を避けやすくなります。集客がうまくいかない原因についてはホームページで集客できない原因にまとめています。
今は作らないと決めた場合にやっておきたいこと
検討した結果、今はホームページを作らないと決めた場合でも、次の3つはやっておくと後で困りません。
- 会社名のドメインだけ取得しておく:将来作るときに、希望の名前が他の人に取られているのを防げます。ドメインの取り方はドメインの取得手順で説明しています。
- 地図サービスの情報を正確にしておく:Googleビジネスプロフィールに、正しい住所、電話番号、営業時間を登録しておけば、検索した人が最低限の情報を確かめられます。
- 会社の情報を1か所にまとめておく:会社概要、事業内容、実績の写真などを社内で整理しておけば、いざ作るときの準備がほとんど終わった状態から始められます。
また、「採用を始める」「新しいサービスを始める」「事務所を移転する」といったタイミングは、ホームページを作る良いきっかけになります。こうした予定があるなら、その数か月前から準備を始めると、慌てずに済みます。
費用を抑えて始める方法
ホームページの費用は、作り方によって大きく変わります。外注すると数十万円以上かかることもありますが、テンプレート(WordPressのテーマ)を使って自社で作れば、費用の大部分を社内の作業時間に置き換えられます。費用の考え方はホームページ制作の費用相場で説明しています。
CRAFTのテーマは、会社ホームページに必要なページ構成をあらかじめ備えたWordPressテーマです。テーマ1種類10,000円(税込)、導入と初期設定を任せる初回セットアップは19,800円(税込)です。サーバーとドメインは別途必要です。
よくある質問
個人事業主や一人社長でもホームページは必要ですか?
必須ではありませんが、名前で検索されたときに事業内容と連絡先がわかるページがあると、信頼してもらいやすくなります。数ページの小さなホームページから始めるのがおすすめです。個人事業主向けの作り方は個人事業主のホームページで説明しています。
SNSだけではだめですか?
SNSは発信には便利ですが、情報が時系列で流れていくため、会社概要やサービスの詳細を整理して見せるのは苦手です。SNSとホームページを組み合わせ、SNSからホームページへ案内する形がおすすめです。
ホームページを作れば問い合わせは増えますか?
作っただけで問い合わせが増えるとは限りません。ただし、紹介や名刺を見た人が確かめに来たときに、安心して連絡できる状態を作ることはできます。検索から新しいお客様を集めたい場合は、検索対策や情報の更新も必要です。
作ったあと更新できない場合はどうすればいいですか?
頻繁な更新が難しければ、変わりにくい情報(会社概要や事業内容)を中心にした構成にし、お知らせ欄は設けないか、年に数回の更新で十分な内容にしておきましょう。更新頻度の考え方はホームページの更新頻度で説明しています。
参照した資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。
確認日 2026.11.07
