この記事の要点
- ホームページは、名前で検索されたときの受け皿と、仕事の内容をまとめて伝える場所になる。SNSと役割を分けて考える。
- 最初は5ページ前後で十分。何をしている人か、料金、実績、プロフィール、問い合わせがあればよい。
- 自宅で仕事をしている場合、住所や電話番号をどこまで載せるかを先に決める。ネットで販売する場合は特定商取引法の表示に注意する。
- 費用を抑えるなら、テンプレートを使って自分で作る方法がある。ホームページの費用は、事業のためのものなら経費として扱える。
個人事業主にホームページは必要か
結論からいうと、すべての個人事業主にホームページが必須というわけではありません。紹介だけで仕事が回っている場合や、決まった取引先とだけ仕事をしている場合は、なくても困らないこともあります。
ただし、次のような場面では、ホームページがあると役に立ちます。
ホームページがあると役に立つ場面
- 新しいお客様に、名前や屋号で検索されることがある
- 取引先から、会社概要やホームページを求められることがある
- 料金や仕事の流れを、毎回同じように説明している
- 実績や作品を、まとめて見せたい
- 地域で探しているお客様に、見つけてもらいたい
- SNSのアカウントが止まったときの、連絡の受け皿がほしい
SNSとの違い
SNSは、気軽に発信でき、多くの人の目に触れるきっかけになります。一方で、投稿はどんどん流れていくため、料金や仕事の流れ、実績のように、いつでも見てほしい情報をまとめておくのには向いていません。また、SNSのアカウントは、サービスの規約の変更や、アカウントの停止などの影響を受けます。
SNSで興味を持った人を、ホームページに案内し、詳しい情報を見てもらって問い合わせにつなげる、という使い分けが効果的です。
載せる内容
個人事業主のホームページは、最初から多くのページを作る必要はありません。5ページ前後から始めて、必要に応じて増やしていけば十分です。
| ページ | 書く内容 |
|---|---|
| トップページ | 何をしている人か、誰の役に立つか、問い合わせへの案内 |
| サービスと料金 | 仕事の内容、料金の目安、仕事の流れ |
| 実績、作品 | これまでの仕事の例(お客様の了解を得て) |
| プロフィール | 名前(屋号)、経歴、資格、仕事への考え方 |
| お問い合わせ | フォーム、メールアドレス、返事までの目安 |
プロフィールは顔が見えるように
個人事業主の場合、お客様は「どんな人に頼むのか」を気にしています。経歴や資格だけでなく、なぜこの仕事をしているのか、どんなことを大切にしているのかを書くと、人柄が伝わります。写真を載せる場合は、仕事をしている様子や、道具の写真などでもよいでしょう。
料金はできるだけ書く
個人に仕事を頼むとき、お客様が最も不安に思うのは料金です。正確な金額を出せない仕事でも、「〇〇円から」「目安は〇〇円〜〇〇円」と書いておくと、問い合わせのハードルが下がります。料金を書いていないと、「高そう」と思われて、問い合わせをためらわれることがあります。
実績はお客様の了解を得て
実績や作品は、仕事の質を伝えるのに効果的です。ただし、お客様から頼まれた仕事を載せる場合は、載せてよいかを必ず確かめましょう。契約で、成果物を公開できないことになっている場合もあります。
自宅の住所や電話番号の扱い
自宅で仕事をしている個人事業主にとって、悩ましいのが住所や電話番号の扱いです。ホームページに自宅の住所や個人の携帯電話の番号を載せると、思わぬ人に知られてしまうおそれがあります。
仕事の紹介と問い合わせの受付だけのホームページであれば、住所は「〇〇県〇〇市」のように市区町村までにとどめたり、問い合わせのフォームとメールアドレスだけを載せたりする方法もあります。
一方で、ホームページから商品やサービスの申し込みを受けて販売する場合は、特定商取引法に基づく表示が必要になります。消費者庁の案内では、事業者の氏名(名称)、住所、電話番号などの表示が求められています。請求があったときに遅滞なく提供することを表示し、実際に提供できるようにしておけば、一部の事項を省略できる場合もあります。詳しくは特定商取引法に基づく表記の書き方で説明しています。
自宅の住所を載せたくない場合は、仕事用の住所を借りるサービスや、仕事用の電話番号を取得するサービスを使う方法もあります。使う場合は、そのサービスの住所を、事業の住所として使ってよいかを確かめておきましょう。
作り方の選び方
個人事業主がホームページを作る方法は、大きく分けて3つあります。
| 作り方 | 向いている人 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ホームページ作成サービス | とにかく早く、手軽に作りたい | 月額の費用、プランによる制限、独自ドメイン |
| WordPressとテンプレート | 自分で作れて、長く使いたい | サーバーとドメインの用意、更新の手間 |
| 制作を頼む | 時間がない、デザインにこだわりたい | 費用、修正のたびに頼む手間 |
ホームページ作成サービスは、画面の操作だけで作れて手軽ですが、無料のプランでは広告が出たり、独自のドメインが使えなかったりすることがあります。無料のサービスの注意点は無料のホームページ作成サービスの注意点で説明しています。
WordPressとテンプレートを使う方法は、最初の準備に少し手間がかかりますが、自分で内容を自由に変えられ、長く使い続けやすい方法です。自分で作る流れはホームページを自分で作る方法で説明しています。
独自ドメインを使う
どの作り方を選ぶ場合でも、できれば自分のドメイン(「〇〇.jp」のようなアドレス)を取っておきましょう。サービスのドメインのままだと、サービスを乗り換えたときにアドレスが変わってしまいます。名刺やチラシに載せたアドレスが使えなくなるのは、大きな損失です。ドメインの決め方は会社のドメイン名の決め方を参照してください。
費用を抑える方法
個人事業主にとって、ホームページの費用はできるだけ抑えたいところです。費用を抑えるには、次のような方法があります。
- テンプレートを使う:デザインを一から作らずに、テンプレートに文章と写真を入れる
- ページを絞る:最初は5ページ前後にして、必要に応じて増やす
- 写真は自分で撮る:スマホでも、明るい場所で撮れば十分に使える
- 文章は自分で書く:仕事の内容を一番わかっているのは自分
- 月額の費用を確かめる:作るときの費用だけでなく、毎月かかる費用も比べる
ホームページの費用は、作るときの費用だけでなく、サーバーやドメイン、作成サービスの月額など、毎年かかる費用も含めて考えましょう。
CRAFTでは、WordPressのテンプレートを買い切りで用意しています。テンプレートの価格は税込10,000円で、サーバーへの設置などを任せたい場合は、別に初回セットアップ(税込19,800円)を用意しています。購入の流れはテンプレートの購入、設置の流れは初期設定で説明しています。
経費の考え方
ホームページの制作費や、サーバー、ドメインの費用は、事業のために使うものであれば、必要経費として扱うことができます。国税庁のタックスアンサー「必要経費の知識」では、事業所得の金額を計算するうえで必要経費に算入できる金額として、総収入金額を得るために直接要した費用の額や、その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額を挙げています。
ただし、金額が大きい場合や、ソフトウェアとして扱う場合など、すぐにその年の経費にできるのか、何年かに分けて経費にするのかは、内容によって変わります。また、私的にも使っている場合は、事業で使っている部分だけが経費になります。詳しくはホームページの費用の勘定科目を参照し、迷う場合は税理士や税務署に相談しましょう。
作った後に見つけてもらう方法
ホームページは、作っただけではなかなか見てもらえません。作った後に、見つけてもらうための工夫をしましょう。
地域のお客様を相手にしている場合は、Googleビジネスプロフィールに登録し、ホームページのアドレスを載せておくと、地図や地域の検索から見つけてもらいやすくなります。設定のしかたはGoogleビジネスプロフィールとホームページのつなぎ方で説明しています。
また、お客様からよく聞かれる質問に答える記事を少しずつ足していくと、検索で見つけてもらう入り口が増えます。無理のない回数で続けることが大切です。
よくある質問
個人事業主ですが、屋号がなくてもホームページは作れますか?
作れます。屋号がない場合は、自分の名前でホームページを作ることもできます。後から屋号をつけた場合は、ホームページの名前やドメインをどうするかを考えましょう。
SNSのプロフィールページがあれば、ホームページはいりませんか?
SNSだけで仕事が回っている場合は、すぐに必要ないこともあります。ただし、料金や実績をまとめて見せたい場合や、取引先からホームページを求められる場合、SNSのアカウントに何かあったときの受け皿としては、ホームページがあると安心です。
自宅の住所を載せずにホームページを作れますか?
仕事の紹介と問い合わせの受付だけであれば、市区町村までにとどめたり、問い合わせのフォームだけにしたりする方法があります。ネットで販売する場合は、特定商取引法に基づく表示が必要になるため、消費者庁の案内を確かめましょう。
ホームページを作ってすぐに問い合わせは来ますか?
作ってすぐに検索から問い合わせが来ることは多くありません。まずは、名刺やチラシ、SNS、Googleビジネスプロフィールなどから案内し、知っている人に見てもらうことから始めましょう。
参照した資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。
確認日 2026.11.07
