この記事の要点
- 無料のサービスは、広告の表示、独自ドメインが使えない、機能やページ数の制限などがあることが多い。
- 特に気をつけたいのは、独自ドメインとデータの持ち出し。後から移るときに、アドレスが変わったり、作り直しが必要になったりする。
- サービスの終了や規約の変更で、ホームページが使えなくなるおそれもある。
- お試しや短期間の利用なら無料でもよいが、会社の顔として長く使うなら、独自ドメインと自社で管理できる仕組みを選ぶ。
無料のホームページ作成サービスとは
無料のホームページ作成サービスは、ブラウザ上でひな形を選び、文章や写真を入れていくだけで、ホームページを作って公開できるサービスです。サーバーの契約や、プログラムの知識は必要ありません。多くのサービスでは、無料のプランと、機能を増やした有料のプランが用意されています。
サービスの運営会社は、無料のプランを入り口にして、有料のプランに移ってもらったり、ホームページに広告を表示したりすることで、収益を得ています。つまり、無料のプランは「試してもらうためのプラン」であることが多く、会社のホームページとして本格的に使うには、何らかの制限がかかっていると考えておく方がよいでしょう。具体的な条件はサービスごとに違い、変わることもあるため、必ず各サービスの公式の案内で確認してください。
確かめたい7つのこと
1. 広告が表示されるか
無料のプランでは、ホームページの上や下に、サービスの広告やロゴが表示されることがあります。お店のホームページに、関係のない会社の広告や「このサイトは○○で作られています」という表示が出ていると、見る人に「お金をかけていない」「本格的に営業していないのでは」という印象を与えるかもしれません。
広告を消すには有料のプランへの切り替えが必要なことが多いため、無料で作る前に、実際の表示を確認しておきましょう。
2. 独自ドメインが使えるか
無料のプランでは、多くの場合、サービスが用意したアドレス(「自社名.サービス名.com」のようなもの)でホームページを公開することになります。自社のドメイン(独自ドメイン)を使うには、有料のプランが必要なことが多くなっています。
サービスのアドレスのまま公開すると、名刺やチラシに印刷したアドレスは、そのサービスを使い続ける限りしか使えません。後でほかのサービスやWordPressに移ると、アドレスが変わり、印刷物の作り直しや、検索での評価のやり直しが必要になります。会社として使うなら、最初から独自ドメインを使うことを強くおすすめします。ドメインの仕組みはドメインとはで説明しています。
また、メールアドレスも、独自ドメインがないと「info@自社名.co.jp」のような会社のメールアドレスを作れません。フリーメールのアドレスで取引先とやり取りすることに抵抗がある場合は、独自ドメインが必要です。
3. 機能とページ数の制限
無料のプランでは、作れるページの数、保存できる画像の容量、お問い合わせフォームの数や機能などに制限があることがあります。最初は数ページで十分でも、事例やお知らせを増やしていくと、制限にかかることがあります。
特に、お問い合わせフォームは、会社のホームページにとって大切な機能です。無料のプランで使えるか、送られた内容がどこに届くのか、迷惑メールの対策があるかを確認しておきましょう。また、Googleアナリティクスなどのアクセス解析を入れられるか、SEOのための設定(ページのタイトル、説明文など)ができるかも、サービスやプランによって違います。
4. データを持ち出せるか
ホームページの文章や画像を、サービスから取り出して、ほかの場所に移せるかどうかも大切な点です。多くのホームページ作成サービスは、そのサービスの仕組みの上でページを表示しているため、ページの作りやデザインをそのまま持ち出すことはできません。文章や画像も、一つずつ手作業で移す必要があることがあります。
「いつかWordPressに移るかもしれない」と考えている場合は、無料のサービスで作り込むほど、移るときの手間が大きくなることを覚えておきましょう。
5. サービスが終わったらどうなるか
インターネットのサービスは、運営会社の方針で、内容の変更や終了が起きることがあります。無料のプランが廃止されたり、条件が変わったり、サービスそのものが終わったりすると、ホームページを移すか、作り直すかを迫られます。
過去にも、無料のホームページやブログのサービスが終了した例はいくつもあります。会社のホームページを、自社で管理できない場所だけに置いておくことには、こうした危険があることを知っておきましょう。
6. 規約で商用利用が認められているか
無料のプランの中には、商用の利用(会社の宣伝や商品の販売)を制限しているもの、掲載した内容をサービス側が利用できるとしているものもあります。利用規約を読み、会社のホームページとして使ってよいか、掲載した文章や写真の権利がどう扱われるかを確認しましょう。
7. 困ったときに相談できるか
無料のプランでは、問い合わせ窓口が限られていたり、返事に時間がかかったりすることがあります。ホームページが表示されない、フォームが届かないといったトラブルが起きたとき、誰に相談できるのかを確認しておくと安心です。
無料と有料、自社管理の違い
| 項目 | 無料のプラン | 有料のプラン | WordPress(自社で管理) |
|---|---|---|---|
| 費用 | かからない | サービスの月額や年額 | サーバー、ドメイン、テーマ |
| 広告の表示 | 出ることが多い | 消せることが多い | 出ない |
| 独自ドメイン | 使えないことが多い | 使えることが多い | 使える |
| データの持ち出し | 難しいことが多い | 難しいことが多い | ほかのサーバーへ移せる |
| 管理の手間 | 少ない | 少ない | 更新を自分で行う |
表のとおり、有料のプランにすると広告や独自ドメインの問題は解決できることが多いですが、データの持ち出しやサービスの継続の問題は残ります。どこまでを自社で管理したいかによって、選ぶべきものが変わります。ノーコードのサービスとWordPressの違いはノーコードとWordPressの比較で詳しく比べています。
無料で始めてもよい場合
無料のサービスが向いていないというわけではありません。次のような場合は、無料で始めるのも一つの方法です。
- 開業前に、ホームページに載せる内容や構成を試してみたい
- 期間限定のイベントや、短期間の告知のためのページを作りたい
- 個人の趣味の活動や、地域のサークルの紹介ページを作りたい
- まず自分で作ってみて、ホームページ作りの感覚をつかみたい
こうした使い方なら、広告や独自ドメインの制限も大きな問題にはなりません。ただし、会社やお店の正式なホームページとして公開し、名刺やチラシにアドレスを載せる段階になったら、独自ドメインを使える仕組みに移ることを考えましょう。
すでに無料のサービスで作っている場合
すでに無料のサービスでホームページを公開している場合も、慌てて作り直す必要はありません。まずは、今のホームページで困っていることを書き出してみましょう。広告が気になる、独自ドメインを使いたい、フォームの機能が足りない、といった不満が、有料のプランで解決できるのか、ほかの仕組みに移らないと解決できないのかを確かめます。
ほかの仕組みに移ると決めた場合は、次の順番で進めると混乱が少なくなります。最初に、今のページの文章と画像を手元に保存しておきます。次に、独自ドメインを取り、新しい仕組みでホームページを作ります。新しいホームページが整ったら、名刺やチラシ、Googleビジネスプロフィール、SNSのプロフィールに載せているアドレスを新しいものに変えます。古いページには、移転先のアドレスを書いたお知らせを、しばらく残しておくと親切です。
費用を抑えて、自社で管理できる形にするには
「無料にこだわるのは、費用を抑えたいから」という場合は、WordPressとテーマを使う方法も検討してみてください。WordPress自体は無料で使え、かかるのはサーバーとドメインの費用、テーマを買う場合はその費用です。
テーマには、一度買えばずっと使える買い切りのものもあり、長く使うほど、月々の費用は小さくなります。費用の内訳はホームページの維持費、自分で作る手順はホームページを自分で作る方法で説明しています。CRAFTのテーマの購入についてはテーマの購入を参照してください。
無料のサービスを使い始める前の確認
- 利用規約で、会社の宣伝や商品の販売に使ってよいか
- 無料のプランで、広告やサービスの表示が出るか
- 独自ドメインを使うには、どのプランが必要か
- お問い合わせフォームが使えるか、届いた内容をどう受け取るか
- やめるときに、文章や画像を取り出せるか
- 有料のプランに切り替えた場合の費用
よくある質問
無料のホームページ作成サービスで作ったホームページは、検索に出ますか?
多くのサービスで、検索に表示されるようにできます。ただし、SEOのための設定(タイトルや説明文、ページのアドレスなど)がどこまでできるかは、サービスやプランによって違います。検索から人を集めたい場合は、こうした設定ができるかを確認しましょう。
後から独自ドメインに変えることはできますか?
有料のプランに切り替えれば、独自ドメインを使えるサービスが多くあります。ただし、それまで使っていたサービスのアドレスから新しいアドレスへ、検索の評価や外部のリンクを引き継げるかはサービスによって違います。会社として使うなら、最初から独自ドメインを使う方が安心です。
無料のサービスで作って、後からWordPressに移すのは大変ですか?
文章や画像は移せますが、ページの作りやデザインは、多くの場合WordPressで作り直しになります。ページ数が少ないうちなら負担は小さいので、移るなら早めの方が楽です。
無料のサービスは危険ですか?
危険というわけではありません。運営会社がサーバーや安全の管理をしてくれる点は、むしろ安心できる部分です。注意したいのは、広告、独自ドメイン、データの持ち出し、サービスの継続といった、会社のホームページとして長く使ううえでの制限です。
参照した資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。
確認日 2026.11.07
