この記事の要点
- 買い切り型は最初に一度払えば使い続けられる。長く使うほど1年あたりの費用は下がる。更新とサポートの期間は製品ごとに違うので確認が必要。
- サブスク型は年額・月額で払い続ける。複数のテーマや機能をまとめて使えるものが多く、更新とサポートが契約中ずっと受けられる。
- 比べるときは、初期費用ではなく5年間の総額で計算する。サブスク型は「年額×年数」、買い切り型は「購入額+必要なら追加費用」。
- 契約をやめたとき、テーマが使えなくなるのか、更新が止まるだけなのかは製品ごとに違う。購入前に必ず規約を確認する。
買い切り型とサブスク型の違い
まず、2つの料金体系が何を指しているのかを整理しておきます。
買い切り型
テーマの代金を一度支払えば、そのテーマをずっと使い続けられる料金体系です。日本で作られている会社向け・ブログ向けの有料テーマに多く見られます。購入後の更新(新しい版の提供)を無期限で受けられるもの、一定期間だけ受けられるもの、サポートは別料金のものなど、内容は製品ごとに異なります。
サブスク型(年額・月額)
テーマを使う権利や、更新・サポートを受ける権利に対して、年額や月額で料金を払う料金体系です。海外で作られているテーマや、複数のテーマ・プラグイン・デザイン素材をまとめて使えるサービスに多く見られます。契約している間は、新しい版の提供とサポートを受けられます。
5つの観点で比べる
| 観点 | 買い切り型 | サブスク型 |
|---|---|---|
| 費用の払い方 | 最初に一度 | 年ごと・月ごと |
| 長く使ったときの総額 | 増えにくい | 年数に比例して増える |
| 更新(新しい版の提供) | 無期限のもの、期間限定のものがある | 契約中は受けられる |
| サポート | 購入者向けフォーラム、メール、期間限定などさまざま | 契約中は受けられることが多い |
| 使えるサイトの数 | 1サイトごと、または複数サイト可など製品による | プランによって1サイト〜無制限 |
| やめたときの扱い | やめるという概念がない(使い続けられる) | 更新が止まるだけのもの、使えなくなるものがある |
1. 費用:5年間の総額で比べる
有料テーマの費用を比べるときに最も大切なのは、初期費用ではなく、使う期間全体の総額で比べることです。会社のホームページは、一度作ると5年程度は使い続けることが多いため、5年間を目安に計算すると判断しやすくなります。
計算は次のように行います。
- 買い切り型:購入額 +(更新やサポートに追加の料金がかかる場合はその額)
- サブスク型:年額 × 5年(月額なら月額 × 60か月)
5年総額の計算例(仮の値)
説明のための仮の値で計算してみます。実在の製品の価格ではありません。
・買い切り型A:購入額 15,000円、更新は無期限で追加料金なし → 5年総額 15,000円
・買い切り型B:購入額 12,000円、更新とサポートは1年間。2年目以降は年5,000円で延長 → 5年総額 12,000円+5,000円×4年=32,000円(延長する場合)
・サブスク型C:年額 8,000円 → 5年総額 40,000円
・サブスク型D:月額 1,000円 → 5年総額 60,000円
1年目だけを見るとサブスク型Cが最も安く見えますが、5年で見ると買い切り型Aが最も安くなります。一方で、買い切り型Bのように「更新の延長」が別料金の場合は、延長するかどうかで総額が変わります。
ただし、サブスク型で複数のテーマやプラグインがまとめて使える場合は、それらを個別に買い切りで買ったときの総額と比べる必要があります。単純に金額だけでなく、何が含まれているかもそろえて比べましょう。
2. 更新:新しい版をいつまで受け取れるか
WordPressは定期的に新しい版が公開され、それに合わせてテーマも更新が必要になることがあります。古いままのテーマは、新しいWordPressで表示が崩れたり、安全上の問題が残ったりするおそれがあります。
買い切り型では、「購入後ずっと更新を受けられる」ものもあれば、「1年間だけ更新を受けられ、その後は延長料が必要」なものもあります。サブスク型では、契約している間は更新を受けられるのが一般的です。
3. サポート:困ったときに聞けるか
テーマの使い方がわからない、表示がおかしいといったときに質問できるかどうかも、大きな違いです。
サポートの形はさまざまで、購入者向けのフォーラム(掲示板)、メールやフォームでの問い合わせ、マニュアルの公開のみ、などがあります。サブスク型では契約中にサポートを受けられることが多く、買い切り型では購入後一定期間のみ、または購入者フォーラムのみ、といった形がよく見られます。
初めてWordPressを使う場合や、社内にWordPressに詳しい人がいない場合は、サポートの内容を重視して選ぶと安心です。サポートの範囲(テーマの使い方だけか、カスタマイズの相談にも乗ってもらえるか)も確認しておきましょう。
4. 使えるサイトの数
1つのテーマを何サイトで使えるかも、製品によって違います。
- 1サイトにつき1つ購入する形
- 購入すれば自社のサイトなら何サイトでも使える形
- プランによって使えるサイト数が変わる形(サブスク型に多い)
- 制作会社がお客様のサイトに使う場合は別のライセンスが必要な形
自社のホームページのほかに、採用サイトや別ブランドのサイトも作る予定があるなら、複数のサイトで使えるかどうかを確認しましょう。制作会社やフリーランスがお客様のサイトに使う場合は、利用範囲の規約を必ず確認してください。
5. やめたときの扱い
サブスク型を選ぶときに特に確認したいのが、契約をやめたときにどうなるかです。
| パターン | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 更新とサポートだけが止まる | テーマはそのまま使い続けられる | 長期的には古いテーマを使い続けることになる |
| テーマの一部機能が使えなくなる | 有料の機能やデザイン素材が使えなくなる | 表示が変わる部分がないか確認が必要 |
| テーマ自体が使えなくなる | ライセンスの認証が切れると使えない | ホームページの作り直しが必要になることも |
WordPressのテーマはGPLというライセンスで配布されることが多く、テーマのプログラム自体は契約をやめても使い続けられる場合が多いのですが、画像やフォントなどの素材、ライセンスの認証が必要な機能は扱いが異なることがあります。詳しくはWordPressテーマのライセンスとGPLで説明しています。いずれにしても、購入前に利用規約で確かめておくのが確実です。
サイトの数が増えたときの総額
ここまでの計算は1サイトだけで使う前提でした。採用サイトや別ブランドのサイトなど、運営するサイトが増えると、総額の比べ方も変わります。
買い切り型で「1サイトにつき1つ購入」の形なら、サイトが増えるたびに購入額が増えます。「自社サイトなら何サイトでも使える」形なら、サイトが増えても追加の費用はかかりません。サブスク型では、プランごとに使えるサイト数が決まっていることが多く、上限を超えると上位のプランに変える必要があります。
3サイトで5年使う場合の計算例(仮の値)
説明のための仮の値です。
・1サイトごとに購入する買い切り型(15,000円):15,000円×3サイト=45,000円
・何サイトでも使える買い切り型(30,000円):30,000円
・3サイトまで使えるサブスク型(年額12,000円):12,000円×5年=60,000円
サイトが1つなら1サイトごとの買い切りが最も安くても、サイトが増えると順番が入れ替わることがあります。今後増える予定のサイトも数に入れて計算しましょう。
見落としやすい費用と条件
価格表の金額のほかに、次のような費用や条件が総額に影響します。
為替と税
海外のテーマはドル建てで販売されていることが多く、為替によって円での支払額が変わります。サブスク型では毎年の更新時の為替で金額が決まるため、5年総額は購入時の計算からずれることがあります。また、表示価格が税抜か税込かも確認しておきましょう。
自動更新
サブスク型の多くは、契約期間が終わると自動で更新され、登録したカードに請求されます。担当者が変わったときに誰も把握していない契約が残っていた、ということがないよう、契約しているテーマやプラグインは一覧にして管理しておくと安心です。
値上げ
サブスク型は、契約の途中や更新時に料金が変わることがあります。買い切り型は購入時の金額で確定しますが、更新の延長料などが後から変わる可能性はあります。長く使う前提なら、料金改定の扱いについて規約に書かれているかも見ておきましょう。
返金の条件
買ってみたら思っていたものと違った、という場合に返金を受けられるかどうかも製品ごとに違います。デジタル商品は返金に対応していないことも多いため、購入前にデモサイトでデザインや動きを確かめておくことが大切です。
どちらを選ぶべきか:タイプ別の目安
買い切り型が向いている会社
- 自社のホームページ1サイトを、5年以上使い続ける予定
- 毎年の支払いを増やしたくない、予算を一度で確定させたい
- テーマを頻繁に変えるつもりはない
会社のホームページは、一度作ると長く使うことが多いため、多くの場合は買い切り型の方が総額を抑えやすくなります。
サブスク型が向いている会社
- 複数のサイトを運営していて、まとめて管理したい
- 複数のテーマやプラグイン、デザイン素材を使い分けたい
- 短い期間だけ使う予定のサイト(キャンペーンサイトなど)
- 契約中は手厚いサポートを受けたい
購入前に確認したいチェックリスト
有料テーマの購入前に確認すること
- 料金は買い切りか、年額・月額か。5年総額はいくらか
- 新しい版の提供(更新)は、いつまで受けられるか。延長に費用はかかるか
- サポートはどんな形で、いつまで受けられるか
- 何サイトで使えるか。制作会社がお客様のサイトに使ってよいか
- 契約をやめたとき、テーマや素材は使い続けられるか
- 返金の条件はあるか
- 最新のWordPressとPHPで動作が確認されているか
- 会社ホームページに必要なページの型(会社概要、事業内容、実績、お問い合わせ)があるか
会社向けのテーマを選ぶときの確認点は会社向けテーマのチェックリスト、無料テーマと有料テーマの違いは無料テーマと有料テーマの違いでも説明しています。
テーマ代だけで判断しないために
テーマの料金は、ホームページ全体の費用から見ると一部にすぎません。サーバーとドメインの費用、ページを作る手間、公開後の更新作業も含めて考えると、「テーマ代が少し高くても、作る時間が大幅に減る」テーマの方が、結果的に費用を抑えられることもあります。
たとえば、会社ホームページに必要なページの型やデザインがそろっているテーマなら、白紙の状態からレイアウトを作る手間がなくなり、原稿と写真を入れるだけで形になります。逆に、安くても自分でページを組み立てる必要があるテーマは、作る時間が長くなります。社内の作業時間も費用の一部として考えましょう。費用の全体像はホームページ制作の費用相場を参照してください。
テーマを途中で変える場合の費用
もう一つ見落としやすいのが、テーマを途中で変えるときの手間です。WordPressではテーマを切り替えても文章や画像は残りますが、テーマ独自のブロックや設定で作ったページは、新しいテーマでは表示が崩れたり、作り直しが必要になったりします。
サブスク型をやめるとき、あるいは更新が止まった買い切り型から乗り換えるときには、この作り直しの手間が発生します。そのため、「安いから」と短期間で乗り換える前提で選ぶよりも、最初から長く使えるテーマを選んだ方が、総額では安くなることが多くなります。乗り換えの注意点はテンプレートを切り替えるときのチェックリストで説明しています。
CRAFTのテーマの料金体系
CRAFTは、会社ホームページ向けのWordPressテーマを買い切りで提供しています。料金はすべて税込で、テーマ1種類あたりの金額です。
| 項目 | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| 基本 | 10,000円 | テーマ1種類の購入(買い切り) |
| 初回セットアップ | 19,800円 | テーマの導入と初期設定を任せる場合 |
| ライセンス | 30,000円 | 利用範囲を広げる場合のライセンス |
サーバー、ドメイン、制作の代行は含まれません。利用範囲やライセンスの詳細はライセンスと利用範囲、購入の流れは購入の流れで説明しています。
よくある質問
買い切りのテーマは、本当にずっと使えますか?
買い切り型は、購入したテーマを使い続けられるのが基本です。ただし、新しい版の提供やサポートがいつまで受けられるかは製品ごとに違います。購入前に、更新とサポートの期間を確認してください。
サブスク型をやめたら、ホームページは表示されなくなりますか?
製品によって違います。更新とサポートが止まるだけでテーマは使い続けられるもの、一部の機能や素材が使えなくなるもの、ライセンスの認証が切れて使えなくなるものがあります。利用規約で確認しましょう。
会社のホームページには、どちらが向いていますか?
1つのサイトを長く使う会社のホームページは、5年総額で見ると買い切り型の方が安くなることが多いです。複数のサイトを運営していて、多くのテーマや素材を使い分けたい場合は、サブスク型が向いていることもあります。
無料テーマではだめですか?
無料テーマでもホームページは作れます。ただし、会社ホームページに必要なページの型を自分で作る必要があったり、サポートがなかったりすることがあります。作る時間とサポートも含めて比べましょう。
年額のテーマを途中で解約したら、残りの期間分は返金されますか?
多くのサブスク型では、途中で解約しても残りの期間分は返金されず、契約期間の終わりまで使える形になっています。ただし扱いは製品ごとに違うため、解約と返金の条件を利用規約で確認してください。
制作会社にホームページを頼むとき、テーマの代金は誰が払いますか?
制作会社が用意する場合と、依頼する会社が自分で購入する場合があります。依頼する会社の名義で購入しておくと、制作会社との契約が終わった後も、更新やサポートを自社で受け続けやすくなります。
テーマの代金は経費になりますか?
事業で使うテーマの代金は経費として扱えるのが一般的です。年額のものは毎年の費用として、買い切りのものは金額に応じて処理します。詳しくはホームページ制作費の勘定科目を参照してください。
参照した資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。
確認日 2026.11.07
