この記事の要点
- AIが得意なのは、構成の案、文章の下書き、言い回しの調整、よくある質問の洗い出しなど、たたき台を作る作業。
- 会社の事実(料金、実績、所在地、資格)や、お客様の声、写真は、AIに作らせず、自社の本物を使う。
- Googleは、AIで作ったかどうかではなく、読む人の役に立つかどうかでページを評価するとしている。ただし、順位を操作するためだけに大量のページを自動で作ることは、スパムとして扱われる。
- AIで作った画像や文章にも著作権の問題が起きることがある。既存の作品に似ていないか確かめる。
AIでホームページを作る3つの方法
ひとくちに「AIでホームページを作る」と言っても、使い方は大きく3つに分かれます。
AIで全体を自動生成する
ホームページ作成サービスの中には、業種や会社名、伝えたいことを入力すると、ページの構成、文章、写真、デザインまで、まとめて自動で作ってくれるものがあります。最初の形が数分でできるので、「どんなホームページになるのか」をつかむには便利です。
ただし、できあがるのは、入力した少ない情報から作った「それらしい」ホームページです。文章は一般的な内容になりやすく、写真も素材のものが使われます。そのまま公開するのではなく、自社の情報に一つずつ置き換えていく作業が必要です。また、そのサービスの仕組みの上で動くため、無料のホームページ作成サービスと同じように、独自ドメイン、データの持ち出し、サービスの継続といった点を確かめておきましょう。詳しくは無料のホームページ作成サービスの注意点で説明しています。
AIで部品を作る
文章を生成するAIに、トップページの紹介文、サービスの説明、よくある質問などの下書きを頼み、それをWordPressなどのホームページに入れていく方法です。ホームページの仕組みは自社で管理しながら、時間のかかる文章づくりだけをAIに手伝ってもらえます。
会社のホームページでは、この方法が最も扱いやすいでしょう。テーマのひな形でデザインを整え、中身の文章はAIの下書きを自社の言葉に直して入れる、という分担にすると、作業の時間を減らしながら、自社らしい内容にできます。
AIに相談しながら作る
「整体院のホームページには、どんなページが必要か」「この文章をもっとわかりやすくするには」のように、AIを相談相手として使う方法です。自分で考えて書く部分が多い分、時間はかかりますが、内容は最も自社らしくなります。ホームページ作りに慣れていない人でも、AIに質問しながら進めれば、迷う時間を減らせます。
AIに任せられること、人が確かめること
AIは、たたき台を作るのは得意ですが、会社の事実を知っているわけではありません。AIは、もっともらしい文章を作る仕組みのため、事実と違う内容を、自信のある言い方で書いてしまうことがあります。
事実はAIに作らせない
料金、営業時間、対応地域、実績の数、資格、創業の年といった会社の事実は、AIに書かせず、自分で入れます。AIに「実績を書いて」と頼むと、それらしい数字や事例を作ってしまうことがあります。こうした内容がそのまま公開されると、お客様をだますことになりかねません。
AIに頼むときは、事実の部分は「ここに料金を入れる」のように空けておいてもらうか、こちらから正しい情報を渡して、その情報だけを使って書いてもらいます。
お客様の声は本物だけを使う
お客様の声や事例は、ホームページを見た人が問い合わせを決める大切な材料です。AIで作った架空のお客様の声を載せることは、見る人をだますことになり、実際より良く見せる表示として、景品表示法で問題になるおそれもあります。お客様の声は、実際にいただいた感想を、本人の了解を得て載せましょう。
写真は自社のものを使う
AIで画像を作ることもできますが、スタッフ、お店の外観や内装、施工の事例、商品など、実在するものの写真は、本物を使いましょう。AIで作った「それらしいスタッフ」や「それらしい店内」の画像は、実際に来たお客様に違和感を与えます。AIの画像は、背景や飾り、イメージの図など、実物を見せる必要のない部分にとどめると安心です。
AIに文章を頼むときのコツ
AIに文章を頼むときは、伝える情報が多いほど、自社らしい文章になります。「整体院の紹介文を書いて」とだけ頼むと、どこの整体院にも当てはまる文章になってしまいます。
AIへの頼み方の例
よくない例:「整体院のホームページのトップの文章を書いてください。」
よい例:「次の情報だけを使って、整体院のホームページのトップに載せる紹介文を、300字くらいで書いてください。読む人は、デスクワークで肩こりや腰痛に悩む30〜50代の会社員です。口調は丁寧で、やわらかい感じにしてください。書いていない数字や実績は作らないでください。情報:○○駅から徒歩3分、夜20時まで営業、1回の施術は60分、初回は体の状態を聞く時間を長めにとる、院長は国家資格(柔道整復師)を持っている。」
よい例のように、誰に向けて、どんな情報を使って、どれくらいの長さで、どんな口調で書くのかを伝え、「書いていないことは作らないで」と添えておくと、使いやすい下書きが出てきます。出てきた文章が気に入らなければ、「もっと短く」「専門用語を使わずに」のように、直してほしい点を伝えて、何度か直してもらいましょう。
自社の言葉に直す
AIの下書きは、整っていても、どこか他人ごとのように感じられることがあります。最後に、実際にお客様からよく聞かれること、自社がこだわっている理由、代表やスタッフの言葉など、自社にしかない話を足しておくと、読む人に伝わる文章になります。文章の書き方はホームページの文章の書き方でも説明しています。
検索での評価はどうなるか
「AIで書いた文章は、Googleで評価されないのでは」と心配する人もいます。Googleは、コンテンツがどのように作られたかではなく、内容の質で評価するという考えを示しています。AIを使って作ったかどうかではなく、読む人の役に立つ、信頼できる内容になっているかが大切だということです。
一方で、検索の順位を操作することを主な目的として、自動で大量のページを作ることは、Googleのスパムに関するポリシーに反するとされています。たとえば、地域名だけを入れ替えた中身の薄いページをAIで何百も作る、といったやり方は避けましょう。
| 使い方 | 考え方 |
|---|---|
| 自社の情報を渡して下書きを作り、人が確かめて直す | 読む人の役に立つ内容になりやすい |
| 専門家が書いた文章の言い回しをAIで読みやすくする | 中身は人が責任を持っている |
| 地域名だけを変えたページを大量に自動で作る | 順位を操作する目的と見なされるおそれ |
| AIの出力を確かめずにそのまま大量に公開する | 誤りや中身の薄いページが増える |
SEOの基本はホームページのSEO対策を自分でやる方法で説明しています。
著作権の注意点
AIで作った文章や画像にも、著作権の問題が起きることがあります。文化庁は、AIを使って作ったものでも、既存の作品と似ていて(類似性)、その作品をもとにして作られた(依拠性)と認められる場合には、著作権の侵害になりうるという考え方を示しています。
AIで作ったものを公開する前の確認
- 特定のキャラクター、作家、写真家などの作風をまねるように頼んでいないか
- 画像に、他社のロゴや商品、実在の人物に似たものが入っていないか
- 文章が、ほかのホームページの文章とそっくりになっていないか
- 使ったAIサービスの利用規約で、作ったものを商用に使ってよいか
- 事実や数字に、作られた情報が入っていないか
文章がほかのページと似すぎていないかは、特徴的な一文を検索してみると、ある程度確かめられます。画像の著作権についてはホームページの画像と著作権でも説明しています。
WordPressとAIを組み合わせる手順
会社のホームページをAIの手を借りて作るなら、WordPressとテーマで土台を作り、中身の下書きをAIに手伝ってもらう方法がおすすめです。
- テーマを選んで、ページの形を用意する。 会社向けのテーマには、トップページ、サービス、会社概要、お問い合わせなどのページのひな形が入っているものがあります。
- ページごとに、載せる情報を箇条書きにする。 料金、流れ、対応地域、実績など、事実の部分は自分で書き出します。
- 箇条書きをAIに渡して、文章の下書きを作ってもらう。 長さと口調を伝え、作られた情報が入らないように頼みます。
- 下書きを確かめて、ひな形の文章と入れ替える。 事実を確かめ、自社の言葉を足します。
- 写真を自社のものに入れ替える。 外観、スタッフ、作業の様子などは、本物の写真を使います。
- スマホで表示を確かめて公開する。
ひな形の文章をそのまま残さないこと、AIの下書きをそのまま貼らないことの2点を守れば、短い時間でも、自社らしいホームページに近づけます。
よくある質問
AIだけでホームページを完成させることはできますか?
形を作ることはできますが、会社の事実やお客様の声、写真などは、AIには作れません。AIで作った形をもとに、自社の情報に置き換える作業は必ず必要です。
AIで書いた文章だと、検索の順位が下がりますか?
Googleは、作り方ではなく内容の質で評価するとしています。AIで書いたことそのものより、内容が正しく、読む人の役に立つかどうかが大切です。ただし、順位を操作するために中身の薄いページを大量に作ることは、スパムとして扱われるおそれがあります。
AIで作った画像を、ホームページに使ってもよいですか?
使えますが、既存の作品に似ていないか、使ったサービスの規約で商用に使ってよいかを確かめましょう。また、スタッフやお店、商品など実在のものは、本物の写真を使う方が信頼につながります。
AIに会社の情報を入れても大丈夫ですか?
ホームページに載せる予定の情報なら、大きな問題はありません。ただし、お客様の個人情報や、社外に出せない情報は入力しないようにしましょう。入力した内容がどう扱われるかは、使うサービスの規約や設定で確かめてください。
参照した資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。
- Google検索セントラル「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」
- Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
- Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」
- 文化庁「AIと著作権について」
確認日 2026.11.07
