この記事の要点

  • HTMLのホームページは、できあがったページのファイルをそのまま置く作り方。WordPressは、文章や写真をデータとして持ち、見に来た人に合わせてページを組み立てる作り方。
  • 更新が多いならWordPress、ほとんど更新しないならHTMLが向いていることが多い。
  • HTMLは仕組みが単純で、守る部分が少ない。WordPressは本体やプラグインの更新が欠かせない。
  • 迷ったら「誰が、どのくらいの頻度で、何を更新するか」を先に決めると、選ぶべきものが絞られる。

HTMLとWordPressの仕組みの違い

まず、2つの作り方の仕組みの違いを押さえておきましょう。

HTMLは、ホームページの文章や見出し、画像の位置などをブラウザに伝えるための言葉です。どの作り方でも、最終的にブラウザに届くのはHTMLです。「HTMLで作る」というのは、そのHTMLのファイルを1ページずつあらかじめ作っておき、サーバーに置いておく作り方のことです。見に来た人には、置いてあるファイルがそのまま届きます。

WordPressは、ホームページを管理するためのソフトウェアです。文章や写真、ページの設定などをデータベースに保存しておき、見に来た人がいると、その都度テーマ(見た目のひな形)とデータを組み合わせてHTMLを作り、届けます。文章を書き換えるときは、ファイルを直すのではなく、管理画面から入力します。

HTMLで作るページのファイルをあらかじめ作って置く見に来た人には、置いてあるファイルをそのまま返す書き換えるには、ファイルを直して上げ直すサーバーにはファイルを置く場所があればよいWordPressで作る文章や写真をデータベースに入れておく見に来た人に合わせて、テーマとデータからページを組み立てる書き換えは管理画面から入力するサーバーにはPHPとデータベースが必要
図解HTMLとWordPressの仕組みの違い。どちらもブラウザに届くのはHTMLだが、そのHTMLをいつ作るかが違う。

この「いつページを作るか」の違いが、更新のしやすさ、表示の速さ、安全のための手間、費用など、さまざまな違いにつながっていきます。WordPressそのものについてはWordPressとはで詳しく説明しています。

7つの観点で比べる

HTMLで作るホームページとWordPressで作るホームページを、会社や店のホームページを運営するという目的で、7つの観点から比べます。

HTMLとWordPressの比較
観点HTMLで作るWordPressで作る
更新のしやすさファイルを直す知識が必要管理画面から文章や写真を入れられる
作るときの費用ページ数が少なければ抑えやすいテーマを使えば抑えやすい
運用の手間少ない本体、テーマ、プラグインの更新が必要
表示の速さ速くしやすい設定やプラグインの数で変わる
安全面守る部分が少ない更新を続けることが前提
機能の追加自分で作るか、外部のサービスを使うプラグインで足しやすい
引き継ぎHTMLがわかる人が必要管理画面の使い方を覚えればよい

ここからは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

1 更新のしやすさ

いちばん大きな違いは、更新のしやすさです。

HTMLで作ったホームページの文章を変えるには、HTMLのファイルを開いて該当する部分を書き換え、サーバーに上げ直す必要があります。書き換え自体は難しくなくても、どこを直せばよいかを見つけたり、ほかの部分を壊さないように気をつけたりするには、ある程度の知識が必要です。新しいページを足す場合は、既存のページをもとにファイルを作り、ほかのページのメニューにもリンクを足していかなければなりません。ページが増えるほど、この手間は大きくなります。

WordPressでは、管理画面にログインして、文章を書き換えたり、写真を入れ替えたりできます。お知らせやブログを追加するときも、文章と写真を入れて公開ボタンを押すだけで、一覧のページや新着の欄に自動で反映されます。社内の担当者が自分で更新したい場合には、大きな利点になります。

お知らせやブログを定期的に更新したい場合は、WordPressの方が向いています。更新の頻度の考え方はホームページの更新頻度で説明しています。

2 作るときの費用

作るときの費用は、ページ数や、どこまで作り込むかによって変わるため、一概にどちらが安いとはいえません。

HTMLで作る場合、ページ数が少なく、更新の仕組みがいらなければ、作る作業そのものは比較的単純です。1ページだけのランディングページなどは、HTMLで作られることも多くあります。一方で、ページ数が多くなると、ページごとにファイルを作る手間がかかります。

WordPressで作る場合は、サーバーへの設置や初期設定の手間がかかりますが、テーマを使えば、デザインを一から作る必要がありません。お知らせやブログの仕組みも最初から備わっているため、ページが増えても手間が大きく増えにくいのが特徴です。

制作を頼む場合の費用の考え方はホームページ制作の費用相場で説明しています。

3 運用の手間

作った後の運用の手間は、HTMLの方が少なくなります。

HTMLで作ったホームページは、置いてあるファイルを返すだけなので、ファイルを変えない限り、基本的には同じ状態のまま動き続けます。サーバーの契約とドメインの更新を続けていれば、何年も手を入れずに表示し続けることもできます。

WordPressは、本体、テーマ、プラグインがそれぞれ更新されていきます。WordPress.orgの案内では、更新する前にバックアップを取ることが勧められています。また、サーバーのPHPのバージョンが上がったときに、古いテーマやプラグインが動かなくなることもあります。こうした更新とバックアップを続けることが、WordPressを使ううえでの前提になります。

更新の手順はテーマの更新とバックアップで説明しています。

4 表示の速さ

表示の速さは、HTMLの方が速くしやすいといえます。

HTMLで作ったホームページは、置いてあるファイルを返すだけなので、サーバーでの処理がほとんどありません。そのぶん、ページが届くまでの時間を短くしやすくなります。

WordPressは、見に来た人がいるたびにページを組み立てるため、サーバーでの処理が発生します。ただし、多くのサーバーやプラグインには、組み立てたページを一時的に保存しておき、次からはそれを返す「キャッシュ」の仕組みがあります。これを使えば、表示の速さの差は小さくできます。一方で、プラグインを入れすぎたり、大きな画像をそのまま載せたりすると、表示が遅くなる原因になります。

どちらの作り方でも、画像の大きさを適切にすることが、表示の速さには大きく影響します。

5 安全面

安全面では、HTMLの方が守る部分が少なくなります。

HTMLで作ったホームページは、ファイルを返すだけで、ログインする管理画面もデータベースもありません。そのため、外から攻撃されうる部分が少なくなります。ただし、サーバーそのものや、サーバーにログインするためのパスワードの管理は、どちらの作り方でも大切です。

WordPressは、世界中で使われているため、攻撃の対象にもなりやすいソフトウェアです。管理画面へのログインを狙われたり、古いプラグインの弱点を突かれたりすることがあります。とはいえ、本体やプラグインを最新に保ち、管理画面のパスワードを強くし、使っていないプラグインを消すといった基本を守れば、危険を大きく減らせます。WordPress.orgの案内では、バージョン3.7以降、小さな更新やセキュリティの更新は自動で適用される仕組みになっています。

6 機能の追加

お問い合わせのフォームや、予約、検索などの機能を足したい場合は、WordPressの方が手軽です。

WordPressには、プラグインと呼ばれる追加の機能が数多く公開されていて、管理画面から探して入れることができます。たとえば、お問い合わせのフォームは、プラグインを入れて設定するだけで作れます。

HTMLで作ったホームページに同じような機能を足すには、自分でプログラムを書くか、外部のフォームのサービスなどを埋め込む必要があります。フォームの作り方はお問い合わせフォームの作り方で説明しています。

7 引き継ぎ

担当者が変わったときの引き継ぎのしやすさも、見落としがちな違いです。

HTMLで作ったホームページを更新するには、HTMLやCSSを読める人が必要です。作った人が退職したり、頼んでいた制作会社と連絡が取れなくなったりすると、ちょっとした文章の修正もできなくなることがあります。

WordPressの場合は、管理画面の使い方を覚えれば、HTMLの知識がない人でも更新できます。ただし、サーバーやドメインのログイン情報、管理画面のアカウントなどを、きちんと引き継いでおく必要があります。

SEOの面での違い

「WordPressの方がSEOに強い」「HTMLの方が検索に有利」といった話を目にすることがありますが、どちらで作ったかによって、検索の順位が決まるわけではありません。Googleが検索のガイドで説明しているのは、読む人に役立つ内容を作ること、ページの内容を適切なタイトルや見出しで伝えることなどです。これはどちらの作り方でも実現できます。

違いが出るのは、SEOのための作業のしやすさです。

  • WordPress:記事を増やしやすい。SEOのためのプラグインで、ページごとのタイトルや説明文を管理画面から設定できる。
  • HTML:タイトルや説明文を、ファイルごとに自分で書く。ページが少なければ十分に管理できる。

検索から人を集めるために記事を増やしていきたい場合は、記事を足しやすいWordPressの方が続けやすいでしょう。SEOの基本はSEOとはで説明しています。

目的別の選び方

ここまでの違いを踏まえて、目的別にどちらが向いているかをまとめます。

ほとんど更新しない会社案内HTMLでも十分。運用の手間が少ない1ページだけの広告用のページHTMLで作られることが多いお知らせやブログを更新するWordPressが向いている社内の担当者が自分で直すWordPressが向いているページが多く、これからも増えるWordPressが向いている
図解目的別の選び方の目安。更新の頻度と、誰が更新するかで選ぶ。

HTMLが向いている場合

  • 会社の基本情報だけを載せ、ほとんど更新しない
  • 広告から人を集める1ページだけのホームページ
  • 社内にHTMLを書ける人がいる、または更新を制作会社に頼む前提
  • できるだけ運用の手間を減らしたい

WordPressが向いている場合

  • お知らせやブログ、施工事例などを定期的に足していきたい
  • 社内の担当者が、制作会社に頼まずに自分で更新したい
  • お問い合わせのフォームや予約などの機能を足したい
  • ページが多く、これからも増えていく

多くの会社や店のホームページは、お知らせや事例を足していくことが多いため、WordPressの方が向いている場面が多いでしょう。一方で、更新をまったくしない前提なら、HTMLの方が手間も費用も抑えられることがあります。

よくある失敗

作り方を選ぶときに、よくある失敗を挙げておきます。

HTMLで作ったら、自分で更新できなかった

制作会社にHTMLで作ってもらった結果、お知らせ1件を載せるのにも、毎回頼まなければならなくなるケースがあります。頼むたびに費用と時間がかかるため、だんだん更新しなくなり、古い情報が載ったままになってしまいます。作る前に、誰が更新するのかを決めておくことが大切です。

WordPressで作ったが、更新されずに放置された

WordPressで作ったものの、本体やプラグインの更新を誰もしないまま、何年も放置されるケースもあります。古いバージョンのままでは安全上の弱点が残り、サーバーのPHPのバージョンが上がったときに表示が崩れることもあります。WordPressを選ぶなら、更新の担当を決めておきましょう。

見積もりの項目の意味がわからないまま決めた

見積もりに「HTMLコーディング」「WordPress構築」と書かれていても、作った後に自分で更新できるのかどうかは、項目名だけではわかりません。見積もりを受け取ったら、どのページを管理画面から更新できるのかを確かめましょう。見積もりの見方はホームページの見積もりで確認することで説明しています。

HTMLからWordPressに乗り換えるときの注意点

すでにHTMLで作ったホームページがあり、更新しやすいWordPressに乗り換えたい場合は、次の点に気をつけましょう。

01今のページを一覧にするアドレス、タイトル、検索からの流入を記録する02WordPressで作るテーマを選び、ページを移していく03アドレスを合わせる変わるアドレスには転送を設定する04切り替えて確かめるリンク切れ、表示崩れ、フォームの動作を確認する
図解HTMLからWordPressに乗り換える流れ。ドメインはそのまま使い、ページのアドレスが変わるところは転送を設定する。

HTMLで作ったホームページは、ページのアドレスが「about.html」のように、ファイル名で終わっていることがよくあります。WordPressに乗り換えると、アドレスの形が変わることがあるため、古いアドレスから新しいアドレスへの転送を設定しておくと、検索からの流入や、ほかのサイトからのリンクを引き継ぎやすくなります。

また、ドメインは今のものをそのまま使いましょう。ドメインを変えると、名刺やチラシに載せたアドレスが使えなくなるうえ、検索での評価も一から積み上げ直しになります。乗り換えの全体の流れはホームページのリニューアルの手順とリニューアルでドメインをそのまま使う方法で説明しています。

テーマを使ってWordPressで始めるという選択肢

WordPressの更新のしやすさは魅力でも、デザインを一から作るのは大変です。そこで、すでにデザインができているテーマを使えば、文章と写真を入れ替えるだけで、会社や店のホームページの形を整えることができます。

CRAFTでは、業種別のWordPressテーマを買い切りで用意しています。お知らせの投稿などの更新は管理画面から行えます。投稿の方法はお知らせの投稿で説明しています。

よくある質問

HTMLで作ったホームページは古いのですか?

古いわけではありません。どの作り方でも、最終的にブラウザに届くのはHTMLです。更新が少ないホームページや、1ページだけのページでは、今でもHTMLで作ることがよくあります。

WordPressの方がSEOに強いのですか?

作り方によって検索の順位が決まるわけではありません。ただ、WordPressは記事を増やしやすく、タイトルや説明文を管理画面から設定しやすいため、記事を増やして検索から人を集めたい場合には続けやすい作り方です。

HTMLの知識がなくてもWordPressで更新できますか?

文章や写真の入れ替え、お知らせの投稿などは、管理画面から行えるため、HTMLの知識がなくても更新できます。デザインを大きく変えたい場合は、知識が必要になることもあります。

HTMLとWordPressを組み合わせることはできますか?

できます。たとえば、会社のホームページはWordPressで作り、広告用の1ページだけはHTMLで作る、といった使い分けもあります。目的に合わせて選びましょう。

WordPressの運用の手間を減らす方法はありますか?

プラグインを必要なものだけに絞る、自動の更新を有効にする、サーバーのバックアップの機能を使う、といった方法があります。更新の担当者と、確認する頻度を決めておくことも大切です。

参照した資料

制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。

確認日 2026.11.07