この記事の要点
- フォームを作る方法は、WordPressのプラグイン、ホームページ作成サービスの機能、フォーム作成サービスなどがある。
- 項目は必要なものだけに絞る。項目が多いほど、お客様は途中でやめてしまいやすい。
- 個人情報を受け取るため、利用目的を示し、通信を暗号化(https)し、プライバシーポリシーを用意する。
- 公開前と公開後に、実際に送って届くかを必ず確かめる。届かないまま気づかないのが、いちばんの損失になる。
問い合わせフォームを作る主な方法
問い合わせフォームを作る方法は、ホームページの作り方によって変わります。主な方法を表にまとめます。
| 方法 | 向いている場合 | 気をつけること |
|---|---|---|
| WordPressのプラグイン | WordPressでホームページを作っている | プラグインの更新、メールの送信の設定 |
| ホームページ作成サービスの機能 | 作成サービスでホームページを作っている | 使える項目や、プランによる制限 |
| フォーム作成サービス | 手軽に作りたい、ほかの用途にも使いたい | ホームページのデザインとの違い、データの保存先 |
| 自社で作る(プログラム) | 細かい動きや、他のシステムとの連携が必要 | 安全性の確保に専門の知識が必要 |
WordPressのプラグイン
WordPressでホームページを作っている場合は、問い合わせフォームのプラグインを使うのが一般的です。たとえば「Contact Form 7」は、WordPress.orgのプラグインのディレクトリで公開されている、よく使われているプラグインの1つです。プラグインを入れて、フォームの項目と送信先のメールアドレスを設定し、問い合わせのページに貼り付けると、フォームが表示されます。
プラグインは、WordPressの本体と同じように、定期的に更新しておくことが大切です。古いままにしておくと、安全上の問題が見つかったときに狙われるおそれがあります。フォームの設定のしかたはお問い合わせフォームの設定で説明しています。
ホームページ作成サービスの機能
ホームページ作成サービスの多くには、フォームを作る機能が用意されています。画面の操作だけで作れるため手軽ですが、プランによって使える項目の数や、受け付けられる件数に制限があることもあります。
フォーム作成サービス
フォームだけを作れるサービスもあります。ホームページの作り方にかかわらず使え、受け付けた内容を一覧で管理できるものもあります。ただし、フォームの画面がホームページと別の見た目になることや、受け付けたデータが外部のサービスに保存されることを理解しておきましょう。
自社で作る
プログラムを書いて、フォームを自社で作ることもできます。細かい動きを作れる一方で、安全に作るには専門の知識が必要です。IPA(情報処理推進機構)は「安全なウェブサイトの作り方」という資料で、ウェブサイトを作るときに気をつけるべき点をまとめています。自社で作る場合は、こうした資料を参考に、専門の人に作ってもらうのが安心です。
入れる項目の決め方
フォームの項目は、多ければ多いほど、お客様は入力に手間がかかり、途中でやめてしまいやすくなります。問い合わせの段階で本当に必要な項目だけに絞りましょう。
住所や生年月日など、問い合わせの段階では使わない情報は、聞かないようにしましょう。使わない個人情報を集めると、それを安全に管理する手間も増えます。
必須と任意を分ける
すべての項目を必須にすると、お客様の負担が増えます。返事をするのに欠かせない項目だけを必須にし、それ以外は任意にしましょう。必須の項目には「必須」と表示し、どれを入力すればよいかがひと目でわかるようにします。
入力しやすくする工夫
スマホで入力するお客様のことも考えましょう。メールアドレスの欄では、メールアドレスの入力に合ったキーボードが出るようにする、電話番号の欄では数字のキーボードが出るようにする、といった設定ができるフォームもあります。入力の例(「例:山田 太郎」など)を薄く表示しておくと、何を入れればよいかが伝わりやすくなります。
入力を間違えたときのメッセージも大切です。「入力に誤りがあります」だけでは、どこを直せばよいかわかりません。「メールアドレスの形式が正しくありません」のように、どの項目の、何が問題なのかを示しましょう。
送信後の画面と自動返信
お客様がフォームを送った後には、「送信が完了しました」という画面を表示し、送れたことがわかるようにします。あわせて、返事までの目安(「2営業日以内にお返事します」など)を書いておくと、お客様は安心して待てます。
自動返信のメールを送る設定にしておくと、お客様は送った内容を手元に残せます。
自動返信メールの例
件名:【〇〇株式会社】お問い合わせを受け付けました
〇〇 様
このたびは、お問い合わせいただきありがとうございます。以下の内容で受け付けました。担当者より、2営業日以内にご連絡いたします。
(お問い合わせの内容)
このメールにお心当たりのない場合は、お手数ですが、このメールを破棄してください。
〇〇株式会社 電話:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇(平日9時〜18時)
自動返信のメールが届かない場合、お客様のメールアドレスの入力間違いか、迷惑メールに振り分けられている可能性があります。送信後の画面に、「自動返信のメールが届かない場合は、迷惑メールのフォルダもご確認ください」と書いておくとよいでしょう。
個人情報の扱い
問い合わせフォームでは、お客様の名前やメールアドレスなどの個人情報を受け取ります。個人情報の保護に関する法律の第21条では、本人から直接書面(電磁的記録を含む)で個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に利用目的を明示しなければならないとされています。フォームに入力してもらう場合も、これにあたると考えられます。
フォームの近くに、「お預かりした個人情報は、お問い合わせへの回答のために使用します」のように利用目的を書き、プライバシーポリシーへのリンクを置きましょう。「プライバシーポリシーに同意する」のチェックの欄を設けることも多く行われています。プライバシーポリシーの作り方はプライバシーポリシーの作り方、設定のしかたはプライバシーポリシーの設定で説明しています。
通信の暗号化
フォームを置くページは、アドレスが「https」で始まるように、通信を暗号化しておきましょう。暗号化されていないページで入力された内容は、通信の途中でのぞき見られるおそれがあります。最近のブラウザでは、暗号化されていないページのフォームに入力しようとすると、警告が表示されることもあります。暗号化についてはSSLとはで説明しています。
受け取った情報の管理
受け取った問い合わせのメールや、フォームのサービスに保存されたデータは、必要な人だけが見られるようにしておきましょう。担当者が辞めたときに、メールの転送の設定や、フォームのサービスのアカウントを見直すことも大切です。
迷惑メール対策
問い合わせフォームを公開すると、機械的に送られてくる営業や迷惑な送信が届くことがあります。放っておくと、本当の問い合わせが埋もれてしまいます。
人か機械かを見分ける仕組み
Googleの「reCAPTCHA」のように、フォームを送ったのが人か機械かを見分ける仕組みがあります。WordPressのフォームのプラグインの多くは、こうした仕組みと組み合わせて使えます。導入するときは、仕組みを提供しているサービスの利用規約や、プライバシーポリシーへの記載が必要かどうかを確かめましょう。
営業の送信への対応
機械ではなく、人が送ってくる営業の問い合わせは、仕組みだけでは防ぎきれません。フォームの近くに「営業のご連絡はお断りしています」と書いておくと、ある程度は減らせることがあります。問い合わせの種類を選ぶ欄を作っておくと、営業の連絡を見分けやすくなります。
メールが届かないときの確認
問い合わせフォームで多いトラブルが、「送ったのに届かない」というものです。お客様は送ったつもりでも、会社には届いていないということが起きます。
まずは、フォームに設定している送信先のメールアドレスが正しいかを確かめます。担当者が変わったときに、古いアドレスのままになっていることがよくあります。次に、受け取る側のメールの迷惑メールのフォルダを確認しましょう。
それでも見つからない場合は、メールを送る仕組みの設定に問題があるかもしれません。WordPressでは、サーバーからメールを送る方法によって、メールが届きにくくなることがあります。送り元のメールアドレスを、ホームページのドメインのアドレスにする、メールの送信の設定を見直すなど、サーバーの案内を確かめましょう。
公開前のテスト
フォームを作ったら、公開する前に、実際に送って確かめましょう。
公開前に確かめること
- パソコンとスマホの両方から送って、届くか
- 自動返信のメールが、お客様のアドレスに届くか
- 届いたメールに、入力した内容がすべて入っているか
- 必須の項目を空にしたとき、わかりやすいメッセージが出るか
- 送信後の画面に、返事までの目安が書かれているか
- フォームのページのアドレスが「https」で始まっているか
- 利用目的とプライバシーポリシーへのリンクがあるか
- 迷惑メールのフォルダに入っていないか
テストのときは、GmailやYahoo!メールなど、ふだんお客様が使っていそうなメールアドレスでも送ってみましょう。会社のメールには届くのに、特定のメールのサービスには自動返信が届かない、ということもあります。
公開した後も定期的に確かめる
フォームは、公開したときに動いていても、その後に動かなくなることがあります。プラグインやWordPressの更新、サーバーの設定の変更、メールアドレスの変更などがきっかけになります。
月に1回など、時期を決めて自分でフォームを送り、届くかを確かめる習慣をつけておくと安心です。「最近、問い合わせが急に来なくなった」と感じたときも、まずはフォームが動いているかを確かめましょう。ホームページから問い合わせが来ない場合の見直し方はホームページから問い合わせが来ないときで説明しています。
フォームと電話を両方用意する
問い合わせフォームがあっても、急ぎの用件や、文章で説明しにくい相談は、電話の方がよいというお客様もいます。フォームの近くに電話番号と受付の時間も書いておき、お客様が選べるようにしておきましょう。スマホで見たときに、電話番号をタップすると電話をかけられるようにしておくと便利です。
また、ネットで商品を販売する場合は、問い合わせフォームとは別に、特定商取引法に基づく表記などが必要になることがあります。詳しくは特定商取引法に基づく表記の書き方で説明しています。
よくある質問
問い合わせフォームとメールアドレスの掲載は、どちらが良いですか?
フォームは、必要な項目をそろえて受け付けられ、メールアドレスを公開しないため迷惑メールを減らせるという良さがあります。メールアドレスを書いておくと、ファイルを添付したいお客様には便利です。両方を用意し、フォームを中心にする会社も多くあります。
フォームから届いたメールに、そのまま返信してもよいですか?
フォームの設定によっては、届いたメールの差出人がお客様のアドレスではなく、サーバーのアドレスになっていることがあります。返信する前に、宛先がお客様のメールアドレスになっているかを確かめましょう。
迷惑な送信が多く、困っています。
人か機械かを見分ける仕組みを入れる、問い合わせの種類を選ぶ欄を作る、迷惑メールのフィルターを設定するなど、いくつかの方法を組み合わせると効果が上がります。それでも減らない場合は、フォームのプラグインやサービスの案内を確かめましょう。
問い合わせの内容は、どれくらい保存しておけばよいですか?
業種や問い合わせの内容によって考え方が変わります。必要な期間を決めて、その期間が過ぎたら消すようにしておくと、管理する情報を減らせます。保存の期間を決めた場合は、プライバシーポリシーとの整合も確かめましょう。
参照した資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、公式の最新の案内を確認してください。
確認日 2026.11.07
